ブランクのある看護師が復帰しやすい職場は?
40歳、看護師20年目、転職経験あり、出産・育児で10年近いブランクあり
出産をきっかけに10年近く現場を離れている看護師です。出産前はいくつかの病院で10年ほど働いた経験があります。育児が一段落ついたので職場復帰をしたいです。
しかし、現場を離れてずいぶん経ちますので、正直、不安が強く躊躇っています。体力面や看護技術、職場の人間関係など、職場復帰のためのハードルが多いように思います。
私のようなブランク明けの看護師が復帰しやすい職場はあるのでしょうか?また、復職へ向けた準備などがあれば教えてください。
「最新の看護技術についていけるか不安」
「若い頃のように元気に動き回れる自信がない」
「医療現場特有のピリピリした雰囲気に馴染めなさそう」
このようにブランク明けの職場復帰に対する不安の声をよく耳にします。医療の現場は体力的にもメンタル的にもハードですし、技術も日々進化しているますので、ブランクが長いと職場復帰できるか不安に思いますよね。
実際のところ、ブランク明けで上手く職場復帰する看護師もいる一方で、上手く職場復帰できずにいる看護師もいます。職場復帰が上手くいくかどうかは、本人の経験やスキルよりも「職場選びが適切であるか」、「準備をしっかりできているか」がポイントです。
ブランク明けの看護師の職場復帰の実際と、職場復帰に向けた準備や職場選びについて見ていきましょう。
潜在看護師は約71万人!
看護師の国家資格を持ちながら、現在は看護師として働いていない「潜在看護師」と言います。H24年の厚生労働省の調査によると、潜在看護師は約71万人いるとされています。
同調査では現役で働く看護師は約154万人で、毎年約16.1万人が職場から離れているとされており、いかにブランクにある看護師が多いかがわかりますね。
ブランクから職場復帰する看護師は毎年多数いる
毎年多くの看護師が離職する一方で、ブランクから復帰し再就業する看護師は約14万人います。看護師は女性が多い職業であり、結婚や出産、育児といったライフイベントで離職する方も多いです。
しかし、ブランクのある看護師に理解のある職場もあり、実際に職場復帰を実現させる看護師も多いですので前向きに考えていけますよね。
ブランク明けの看護師が復帰しやすい職場とは?
では、実際にブランク明けで再就業したい看護師が職場を選ぶ際のポイントを見ていきましょう。
雇用形態を相談できるか
看護師の雇用形態は主に「常勤」「非常勤」「派遣」の3種類です。ご自分が希望する雇用形態が可能な職場を選んでいくと良いでしょう。常勤は正社員にあたります。勤務時間が長く、負担や責任も重くなりがちですが給与水準は最も高いです。
非常勤はパートやアルバイトとも呼ばれます。給与水準は正社員よりも低いものの、勤務時間を調整しやすいですので家庭の都合に合わせた働き方が可能です。
派遣は非常勤と似ていますが、雇用期間に制限があります。また、即戦力として期待される場合が多く、ブランクが不安な看護師は入職時教育の有無を確認しておきましょう。
フォロー制度はあるか
職場によって経験者の扱いは異なります。経験者であってもプリセプター制度や新人研修がある場合もあれば、「経験者なんだから」と即戦力を求められる場合もあります。不安を抱えたまま自立してしまうのは非常に危険ですので、フォロー制度の有無を確認しておきましょう。
クリニックや介護施設の注意点
負担が少なく残業が少ない傾向にあることから、クリニックや介護施設を検討される方もいるかもしれません。しかし、これらの施設は看護師の人数配置が少ない場合が多く、1人勤務になることもあります。対応しきれない事態が起こりうることも想定しておきましょう。
経験のある分野が無難
ブランク明けで復帰しやすい職場は、やはり経験のある分野です。忘れていることもあるかもしれませんが、一度勉強をしたことがあれば思い出すのも早いでしょう。電子カルテの操作ができるか
近年、医療施設の電子カルテ導入率が上がっています。ブランクの年数によっては電子カルテに触れたことのない方もいますよね。電子カルテの操作に慣れていない場合、紙カルテの職場を探すか、電子カルテの復職支援セミナーに参加すると良いです。
現場の看護師の年齢層
意外と見落としがちなのが、現場の看護師の年齢層です。年齢差のある職場の人に難なく溶け込める人であれば問題ありませんが、多くの人にとって近い年齢の人が多いほうが安心でしょう。また、お子様がいる場合も、ママナースが職場に多ければ融通が利きやすい場合があります。
復職へ向けた準備について
では次に、復職へ向けた準備について説明していきます。職場選びと並行して進めていくと良いですよ。
基本的な看護技術や看護展開を復習する
ブランクが長ければ長いほど、不安になるのが看護技術や看護展開ですよね。・バイタルサイン測定
・採血
・ルート確保
・喀痰吸引
・酸素療法
・移乗、移送
・おむつ交換
・フィジカルアセスメント
・情報収集
などなど。復習するべき項目は多いですが、新人の頃の初心に戻ることが大切です。また、謙虚に学ぶ姿勢を持つことで就職先でも受け入れられやすくなりますよ。
ぜひ、学生時代や新人時代の教材があれば引っ張り出してみましょう。
ナースセンターの復職支援制度を利用する
看護技術や看護展開の復習方法の一つとして、各都道府県のナースセンターが開催している復職支援制度を利用するのもおすすめです。復職への心構えや、復職の悩みに対する個別面談も行われる場合もあります。無料で受講できますし、同じように復職に不安を抱えた看護師と思いを共有することができるのが嬉しいですよね。
家族の理解を得る
復職をすることで影響を受けるのは本人だけではありません。家族も含めて生活の変化を考えていく必要があります。家事や育児の分担を家族で話し合っておきましょう。家族の理解を得ておくことで苦労を分かち合うことができ、家族の絆が深まることにもつながります。ぜひ、家族全体で復職に臨んでみましょう。
適切な情報収集としっかりとした準備が職場復帰を成功させるポイントです。まずは、転職エージェントに相談し、情報収集しながらご自分が再び看護師として働くイメージを固めていきましょう。
そして、転職してみたい職場が定まったら求人情報を確認していきましょう。ぜひ、看護師の資格を最大限に活用していってくださいね!