看護師の業務は覚えてきたけど他職種連携がいまいち出来ません
20代女性、脳外科勤務
看護師として働きはじめて1年近く経ちました。看護師の業務にはだいぶ慣れてきて、自立してできることも日々増えています。でも、他職種との関わり方がよくわかりません。
医師とは指示の確認や症状の報告でコミュニケーションを取る機会がありますが、これは他職種連携と言えるのでしょうか。他職種が集まるカンファレンスにも参加しますが話を聞いているだけ終わってしまいます。
看護師としての業務を行うことと他職種連携をすることの違いが知りたいです。
多くの医療機関は看護師だけでなく他職種が連携して患者をサポートします。看護師としての業務をしっかりと全うすることはもちろん大切です。視野を広げて他職種の役割や看護師としてどのように連携すべきかを学ぶことによって、患者により良い医療を提供できます。
チーム医療や他職種連携、看護師の役割について説明します。ぜひ今後のステップアップの参考にしていただけると幸いです。
チーム医療における他職種連携の必要性
チーム医療とは、医師・看護師・薬剤師・理学療法士・ソーシャルワーカーなどの医療者がチームを組んで情報共有し、意見を交換しながら患者のサポートをする仕組みです。各職種が専門性を発揮し、適切なアドバイスや必要な情報提供を行うことで患者の社会復帰を手助けします。
チーム医療は患者を人として診るため、超高齢社会を地域全体で支えるため、医療の高度化に対応するためなど、変化する医療のニーズに応えるために生まれました。同じ診断名をもつ患者であっても、病気の進行具合や症状、考え方や社会的背景は人それぞれ異なります。そのため、チーム医療は患者の個別性に対応するのに有効です。
たとえば、退院後の生活で内服管理に不安がある場合は薬剤師が介入し、福祉に関する疑問があればソーシャルワーカーが介入します。患者によって不安を抱えるポイントは異なりますので、チームで細かく情報共有しながら介入することが重要です。
チーム医療での看護師の役割
看護師がチーム医療において果たす役割の一つは「情報共有」です。医療者の中でもっとも患者と直接関わる機会が多い看護師は専門知識に基づいた観察をし、他職種に情報共有する役割が求められます。
フィジカルアセスメントだけでなく、会話を通じて心理面や社会的背景の情報を引き出すことも重要です。時には患者本人からだけでなく家族からの情報もあわせて収集することで患者理解が進みます。
また、看護師はチーム医療における「他職種連携の橋渡し役」も担います。看護師は患者だけでなく、他職種とも関わる機会が多い職業です。そのため、スタッフ一人ひとりの意見や情報を集め、共有して時には話し合いの場を設ける役割が求められます。
このように看護師はチーム医療や他職種連携において情報を扱い、より良いチーム形成や円滑な運用を行う存在だといえます。
他職種の役割も学ぶことでスムーズな連携ができる
看護師は他職種連携の橋渡し役も担うことから、それぞれの職種の特徴も把握しておくとスムーズな連携ができます。チーム医療における各職種の役割と看護師の関わり方を一部ご紹介しますので参考にしてみてください。
医師
医師は診察や治療方針の決定する役割を担います。多くの患者を担当するため、診察にかけられる時間はわずかです。そのため、看護師が医学的な視点から患者を観察し、医師に的確に報告することで患者の症状の悪化や合併症の早期発見につながるでしょう。また、患者や家族への病状・治療内容の説明の際に看護師が同席する場合があります。看護師は医師からの説明を患者や家族が十分に理解できているか確認します。そして、必要に応じて補足説明を行うのも看護師の役割です。
薬剤師
薬剤師は薬剤の管理業務や患者への服薬指導を行う職種です。看護師が患者の服薬に関する不安を代弁することでより的確な服薬指導が行えます。正しい内服が行えているか、副作用症状が出現していないかなどを情報提供するといいです。また、病棟において実際に薬剤を扱う機会の多い看護師は、管理方法について薬剤師と意見交換をするとよいのではないでしょうか。薬剤の管理を改善することで事故を防ぎ、効率的な業務につながりますよ。
医療ソーシャルワーカー
医療ソーシャルワーカーは患者の経済的問題、福祉への橋渡しに介入する職種です。看護師が患者の社会的背景について情報提供することでより的確な介入ができるようになります。患者の社会的背景を知るには信頼関係を築かなければなりません。患者と関わる機会の多い看護師だからこそニーズを聞き出す役割が求められます。
チーム医療・他職種連携で大切なこと
チーム医療で大切なのは「目標が明確である」ことです。患者と医療者が同じように目標を認識し、それぞれが主体的に行動することで良質で効率的な医療が実現します。
他職種連携で情報共有が行われる場は主に「カンファレンス」です。カンファレンスに参加した際には難しく考えず、患者の困りごとを他職種と共有するとよいのではないでしょうか。看護師だけでは解決困難であっても、チームで取り組むことで良い解決策が見つかるかもしれませんよ。
社会構造の変化に伴う地域包括ケアシステムの広がりによって看護師の活躍の場は多様化しています。今後ますます医療と介護の連携、退院後の生活を意識した関りが求められるようになるのではないでしょうか。
まとめ
看護師は他職種連携において「情報共有」や「他職種連携の橋渡し」の役割を担います。患者を専門職の視点で観察して問題を見出し、解決に向けて他職種と意見交換をしていけるようになるのが望ましいのではないでしょうか。
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