先輩によって指導内容が違うので何を信じたらよいかわからない
1年目看護師、20代女性、消化器内科勤務
先輩看護師からの指導内容が人によって違っていることがあり困っています。ある先輩から指導を受けて実施した業務を別の日に違う先輩から、「それは必要ない。時間がもったいないよ。」と言われました。
もちろん、ケースバイケースで判断すべき場面もあるとは思います。しかし、わたしはまだ新人であり判断力が未熟です。指導内容に違いがある場合、私はどのように動けばよいのでしょうか?
先輩によって指導内容が違うと困惑しますよね。悪気はないのに先輩同士の指導の違いに板挟みになる状況は避けたいところです。
また、看護師の仕事は決められたことだけではなく、その場で判断していかなければならないことが多いのが特徴です。先輩の指導を真正面から受け入れるだけではなく、指導の意図も考える必要があるかもしれません。
今回は先輩によって指導内容が異なる原因と対策についてご説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。
新人看護師にとって先輩との関係は最優先事項
新人看護師にとって、先輩看護師との関係はほかの何よりも気になることではないでしょうか。
もちろん、患者さんとの関係、疾患、治療に関する勉強も大切です。しかし、自立してできる業務が少ない新人看護師が、先輩との関係を悪くしてしまうと大きなストレスを抱えてしまいますよね。
ただでさえ覚えることだらけなのに、先輩によって指導内容が違うとパニックになる方もいるかもしれません。出勤するのが嫌になってしまう前に、対策をしていきましょう。
先輩によって指導内容が異なる原因
まず、先輩によって指導内容が異なる原因を考えてみましょう。とくにマニュアルに載っていない業務は、指導内容が異なりやすいので注意が必要です。
①先輩の看護観にもとづく指導であった
看護師はそれぞれ異なる看護観をもっています。看護観とは、「看護師として何を優先して患者さんと関わりたいか」という価値観です。そのため、看護観の違いにより先輩ごとに業務の優先順位や手順が異なる場合があります。たとえば、「患者さんとの話はほどほどで切り上げて、ほかの患者さんの所にも行って」と指導する先輩Aと、「患者さんの話は必ず最後まで聞いて」と指導する先輩Bがいたとします。
先輩Aは「すべての患者さんの状態変化をいち早く捉えることを優先したい」という看護観、先輩Bは「できる限り患者さんの思いを聞いて受けとめたい」という看護観をもっているのかもしれません。
とくに業務の優先順位への指導は、看護観により指導が異なる場合がありがちです。
②患者さんの状態に合わせた指導であった
看護師の業務は患者さんの状態によっても変化します。同じような場面に思えても、患者さんのアセスメントによっては対応を変えなければなりません。また、その日の治療や検査の予定次第で、看護師の業務の優先順位も変わります。たとえば、バイタルサイン測定の時間を11時だと習ったとします。ところが、患者さんの体調が悪い、あるいは予定が入っている場合は11時より前にバイタルサイン測定を実施する必要があるかもしれません。
そのため、先輩からの指導には常に「患者さんの状態や業務の都合に合わせる必要あり」と、前置きがあることを頭に入れておくといいですね。
③求められているレベルが異なった
指導する先輩によって、あなたに求めるレベルが異なる場合もあります。「まずは言われたことを抜けなくできればOK」と考える先輩もいれば、「最低限のことは伝えるけど、自分で判断して欲しい」と考える先輩もいるかもしれません。本来であれば指導方針の統一をするべきなのかもしれませんが、十分な話し合いがなされていない場合もあります。また、先輩自身が受けてきた指導を基準に、あなたにも指導をしているのかもしれません。
指導内容が異なった時の対策
続いて、先輩からの指導内容が異なる場合の対策をみていきましょう。
①まずは指導を受け入れ、人のせいにしない
まず大切なのが、「指導を受け入れて人のせいにしないこと」です。まずい対応の例として、「○○さんに言われたとおりにしています。」このような対応です。なぜかというと、「状況に応じた判断や相談ができず、指導者の責任にする」と思われるからです。先輩からの指導があったとはいえ、自分の行動に責任を持たない姿勢は今後の先輩との関係に悪影響を与えてしまうかもしれません。
先輩によって指導内容が異なった場合、その場では指導を受け入れ、指導の意図を考えてみるのがよいのではないでしょうか。言われたことをそのまま実施する受動的な態度では、自身の成長も遅れてしまいます。
②指導内容が異なった理由をこっそりプリセプターに相談
先輩によって指導内容が違った理由を考えてみたら、こっそりとプリセプターに相談してみましょう。プリセプターがいなければ、相談しやすい先輩でも構いません。実際に指導された場面や内容、自分が考えたことを伝えていきます。プリセプターと相談する際もやはり、相手から正解を引き出そうとする受動的な態度は好ましくありません。「○○さんはこのように考えて私に指導して下さっているのでしょうか」と、自分の考えを中心に相談するといいですよ。
③すべて先輩の指導通りに仕事をする必要はないと知る
先輩によって指導内容が異なるということは、裏を返せば仕事の進め方が人それぞれ異なっていることがわかります。そのため、あなたもすべて先輩の指導通りに仕事を進める必要はなく、自分なりのやり方を見つけることができるはずです。もちろん、判断力が未熟なうちはプリセプターの先輩に自分なりの考えを相談してから実施するのが鉄則です。自分自身の看護観を見出すきっかけになり、やりがいにもつながるのではないでしょうか。
まとめ
今回は先輩によって指導内容が違った場合の対策についてご説明しました。大切なのは、指導の背景にある理由に着目し、受動的にならず自分でも良い方法を考えていくことではないでしょうか。
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