何をやりがいに看護師を続ければいいかわかりません
看護師4年目、24歳女性、救急外来勤務
新人のころから救急外来で勤務し、今年で4年目をむかえます。少し前まで、仕事は新しいことの連続でがむしゃらに仕事を続けてきました。
しかし、4年目になった最近は、失敗したり理不尽に怒られたりすると、看護師をこのまま続けるべきなのかと、迷う機会が増えたような気がします。その原因は看護師にやりがいを感じていないからじゃないかと思いました。
このような気持ちで看護師を続けていくのは、自分や患者さんにとってよくないと思っています。看護師としてのやりがいを見つけ、続けていくためのモチベーションを維持するために、おすすめの方法などはありますか。
看護師が仕事をしていくなかで、やりがいを見失ってしまうことは珍しくありません。理由もさまざまで、定型的な業務をこなすだけの毎日や給与への不満など人によって違ってきます。
おっしゃるように、やりがいを見つけることは看護師を続けるためのモチベーションに直結しています。また、向上心をもち、質の高い看護を提供するための原動力にもなるため、この機会に一度自分の気持ちを整理してみてはいかがでしょうか。
今回は、看護師としてのやりがいを見つける方法と、モチベーションを維持する方法についてご説明しますので参考にしてみてください。
今までの看護師としての自分をふりかえる
今までの看護師としての自分をふりかえることは、看護師のやりがいを見つける上で効果的な方法です。
遠回りのように感じるかもしれませんが、いちど自分の看護師としての原点に帰ってみてください。そうすることで、看護師を目指したきっかけや、今まで感じていた自分の看護観のなかに、看護師としてのやりがいがあることに気づくでしょう。
看護師を目指したきっかけ
私も相談者さんと同じように、看護師としてのやりがいを見失った経験があります。そのとき、ふと看護師を目指したきっかけについて考えてみました。私は、家族の入院と手術がきっかけで看護師を目指すようになりました。お世話になった看護師さんのように、手術へ向かう患者さんや、患者さんを見送るご家族の力になりたいと思ったのが理由でした。
あらためて看護師を目指したきっかけについて考えることで、忘れていた「患者さんやご家族の力になりたい」という想いを再認識できました。それによって、日々の看護のなかで、患者さんが無事に手術を終えて退院していく様子や、ご家族の方から感謝されることにやりがいを感じられるようになりました。
このときの私もそうでしたが、業務が忙しいと「そもそもなぜ看護師をしているのか」を忘れ、やりがいを見失いがちです。看護師を目指したきっかけを考えることで、自分なりのやりがいを見つけるヒントにしてみてください。
自分の看護観を見つめ直す
自分の看護観については、誰しも学生や新人時代に考える機会を与えられ、頭を悩ませた経験があるのではないでしょうか。看護観は、看護師としての経験を積んだときに、いま一度考えてみると、やりがいを見つける手助けになります。私もそうでしたが、経験を積み業務をある程度こなせるようになると、自分の看護に看護観を反映させることがおろそかになります。
看護観は自分の看護に意味をもたせる大切な考え方です。これをおろそかにすると、自分がなぜ看護を提供しているのかを見失ってしまいます。これが、看護師としてのやりがいがわからなくなることにつながると考えられます。
忙しい業務のなかでは、意識して看護観について考える機会は少ないですよね。今回、仕事にやりがいが感じられないと悩んでいることを、自分の看護観をふりかえる良い機会としてポジティブにとらえてみてください。
自分の看護観をもう一度日々の看護に反映させることで、やりがいを見つけることに役立てられるでしょう。
看護師を続けるモチベーションを維持する
看護師を続ける上で、やりがいを見つけるのと同様に重要なのが「モチベーションを維持する」ことです。
ここでは看護師を続けるモチベーションを維持する方法について、実際の経験をふまえてご説明していきます。
目標をたてる
目標をたてることは、物事を続けるモチベーションを維持するために有効な手段であり、看護も例外ではありません。人によって目標は違ってきますが、短期目標や長期目標などにわけて設定するのがいいでしょう。看護師が、患者の入院計画を立てる際にも利用している方法を自分に応用してみるということです。私の場合は手術室看護師でしたので、短期目標として「心臓のバイパス手術の独り立ち」を設定し、長期目標として「リーダー業務の実施」をあげました。
目標をたてることによって、達成する喜びを感じモチベーションを維持することにつながりました。また、日々の業務も丁寧になり、看護の質も向上するので一石二鳥です。
ただなんとなく毎日の看護を行うのではなく、目標をたて達成を目指すことでモチベーションを維持できるでしょう。
理不尽な出来事に向き合う
看護師をしていると、誰しも患者さんや医師などから理不尽なことを言われ、落ち込む経験をしたことがありますよね。こういった出来事があると、「なぜこんな思いをしてまで続ける必要があるのだろう」と考え、看護師を続けるモチベーションが下がるきっかけとなります。
しかし、理不尽な出来事から逃げてばかりでは、モチベーションは下がる一方です。どこかで向き合い、自分の中でモチベーションを維持する必要があります。
私は手術室看護師として器械出しをしている際に、主治医から「もう器械出しを交代してくれ」と言われたことがありました。当時、自分は失敗した自覚はありませんでしたし、理不尽だなと思い、一時期モチベーションを保てませんでした。
どうしても納得がいかず、後日主治医に理由を聞いてみました。詳しい内容は専門的な内容になるので割愛しますが、理由を聞き気づいたのは「自分の未熟さ」でした。
このように、理不尽な出来事から「自分の未熟さ」に気づけたことで、「私はもっと精進する必要がある」ととらえ、以降の業務にモチベーションを高く維持し望めるようになりました。
本当に理不尽な出来事は、ときには「まぁいいか」で済ませることも必要です。しかし、私のように自分では気づかない理由が隠れていることもあります。
自分が理不尽な出来事に遭遇したとき、「もっとこうすればよかったのではないか」「相手は何を考えて発言したのか」を考えることで、モチベーションを維持する手助けとなるでしょう。
まとめ
看護師としてやりがいを見つけ、モチベーションを維持することは看護師人生をとおしての課題ともいえます。そのため、看護師を続けている以上はずっと向き合わなければなりません。
多忙な業務などで忘れてしまうこともありますが、看護師を続けていく上で確固としたやりがいは、必ず自分の中でもっておく必要があります。
最適な方法は経験年数や取り巻く環境によって日々変わっていきますが、今回説明した方法を活用して自分なりのやりがいを見つけてみてください。きっと、看護師を続けていく上で役立つはずですよ。
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まずは面談であなたの希望をコーディネーターに伝えてみてはいかがでしょうか。