休みが少ないと感じるときはどうしたらいいのでしょうか?
看護師2年目、20代女性、ICU勤務
看護師として働きはじめて2年目になり、新人だった1年目に比べて少し業務にも慣れてきたところです。休日もひたすら寝てぼーっとしたり勉強したりするだけでなく、友達と遊んだり、リフレッシュするために趣味の時間を過ごしたりする余裕もできました。
そんな反面、休みの日が少ないと感じるようになりました。
まだ2年目なので、先輩のように有給がたくさんあるわけでもないし、自由に有給取得ができるような病院でもありません。気持ち的には休みがもう少し多ければいいのにと悩んでいます。
簡単に転職もできない状況です。どうすれば休みをもらえますか?
新人期は社会人としての生活をスタートさせるとともに、新しい職場や人間関係に慣れることで精一杯ですよね。
また、看護師業務もいままでの座学や実習から実践へと変わっていくため、とりあえずその日1日を過ごすことに集中し、休日は自分の趣味にも時間を使えるくらい少し余裕が出てきたということで、日々の努力が実を結んだ証ですね。
そこで新たに出てきた“休みが少ない”という問題については、きっと多くの看護師さんが一度は感じたことがある問題なのではないでしょうか。職場を変えることは容易ではないので、我慢するしかないと諦めている人も多いはずです。
しかし、シフトの勤務希望の出し方をちょっと変えるだけで、休みを多くできることもあります。今回は、休みが少ないと感じる看護師さんに、上手なシフト希望の出し方についてご紹介しましょう。
まずはシフトについて知ろう
シフトについて、病棟で勤務されている看護師さんは上司が制作し、それをただこなしているという人が多いのではないでしょうか。そもそもシフトはどうやって作られているかご存じですか。
各施設によって2交代、3交代、オンコール体制など、さまざまなシフトがあります。シフトの作り方に関しては、日本看護協会などがガイドラインを作成しており、シフトを組むうえでの注意点などが記載されています。
私が勤務する病院は2交代制のため、日勤は8時間勤務、夜勤は16時間ほどの拘束時間になり、連続した7日間の勤務は認められていません。
またガイドライン上は、勤務と勤務の間は最低11時間空けることになっていますから、2交代の場合は夜勤の翌日に日勤や、3交代の場合では準夜勤務のあとに日勤なども避けるようにとされています。
これは、看護師の労働が過酷で集中力を要するものであるため、しっかり休息を取ることを推奨しているからです。
あなたの病院の就業規則を確かめよう
入職を決める際、大学病院や民間病院、訪問看護などの施設や希望する病棟に配属されるかなどを選考基準にしていたという方もいるでしょう。それらと同様に給与面や年間の休みについても確認していたでしょうか。意外と最初の頃は給料と働きやすさや雰囲気などで選んでしまいがちですが、年間いくつ休みが取れるかというのも押さえておくべきポイントです。
週休2日制やフレックスタイム、フリーアドレスも珍しくなくなった日本の働き方改革ですが、医療の業界はまだまだ後進で、病院によっては連休すら取れない日も少なくありません。
シフト制がある病院の就業規則の多くは、週何時間、月間何時間という基礎となる勤務時間が固定されています。
本来の稼働時間より多い場合は、休みを増やして調整するか、休日分をお金に換算して給与という形で支払うという方法があります。
通常の会社では祝日が多い月は基礎となる勤務時間は少なくなりますが、24時間365日稼働している病棟には、祝日だからという概念はありません。
そのため、本来4週8日制をとっている病院では、祝日が2日間ある月には10日分の休日をシフトに組む必要がある場合と、祝日の有無に関係なく8日休日固定のままで稼働する病院とに分かれています。
それは就業規則により異なりますので、ご自身の病院の就業規則を一度確認してみてください。
休みが少ないと感じてしまう訳は?
一般的な人間の心理学的には、得をするよりも損をしたくないという気持ちが働きやすいそうです。これを損失回避の法則といいます。あなたが2交代で働いているとして、
①日勤→休み→日勤→夜勤→休み→日勤のシフト
②日勤→日勤→夜勤→休み→休み→日勤のシフト
このふたつのシフトを比べて、どちらの方が魅力的に感じますか?
どちらも同じ3日勤と1夜勤と2休みの組み合わせですが、組み合わせによって②の方は連休がありより長い休みをもらえているように見えます。
実際に病棟でアンケートを取った際も、②の方が魅力的だと思う人が8割を超えていて、①は翌日がせっかくの休日でも日勤のあとなので疲れて大した夜更かしもできない、次の日もまた日勤のために早起きしないといけないので損な気がするという答えがありました。
たしかに看護師は、生活リズムが乱れやすい一方で、重労働ですから翌日のことを考えて休日も過ごさなくてはなりません。
同じ稼働時間でも損をした気になってしまうという理由はよくわかります。
自分の現状を見直そう
さて、ここからが本題です。休日が少ないと感じた時に、私たちが取れる行動にはどのようなものがあるでしょうか。
1つの病棟というチームで働いている以上、自分の好きなようにはシフトを組めまません。
また、お互いが協力し合わなくてはいけないことは前提ですが、働き方改革で年5日の有給消化が義務化されたので、まずは有給を上手に申請できれば解決です。
しかし、経験年数が浅い看護師さんは、有給の数がそもそも多くありません。また、病棟によっては有給を申請することが難しいケースもあります。その場合、就業規則を見直してみましょう。労働条件がほかと比較して割に合わないと感じた場合、転職するのもひとつの方法です。
しかし、こちらも看護師経験数によってはよい転職先がすぐに見つかるとも限りません。
そのような場合は、シフトを見直してみることで、解決できることもあります。
上手な勤務希望の出し方とは?
前述のとおり、人は基本的に損を嫌う心理があります。シフト作成はいわばパズルの組み合わせです。
物理的に休みを増やすことはできなくても、休みが増えて得をしたと思えるように自分を錯覚させることはできます。
夜勤に続く連休を希望する
一般的に、断片的な休みよりも連続した休みの方が満足度は得やすいです。また、2交代勤務の場合は、日勤の終わりの2連休と夜勤の終わりの2連休では、夜勤終わりの2連休の方が連続した休み時間が長くとれます。
私は、夜勤明けに2連休、さらにその翌日を夜勤の希望にすることで、飛行機で移動する距離の旅行に出かけていました。
機内ではぐっすり眠り、到着してからしっかり遊ぶことができます。2日間しっかり遊んで夜遅く帰宅しても翌日は夜勤のため、ゆっくりと寝ていられるのが魅力です。日勤に続く休みでは終了時間が早いので、より損をしていないように感じるのでしょう。
日勤希望日を平日よりも休日にする
勤務する施設によって違いますが、多くの病院施設では平日に入院や手術が多く、バタバタした印象があります。忙しいと時間が過ぎるのが早いのですが、残業が多かったり勤務後の疲労感が強かったりすると、日勤のあとは休みたいという心理が働くのは、皆さんにも覚えがあるのではないでしょうか。
そこで、あえて日勤をOPEが少ない日や比較的残業が少ない日に希望することで、休み時間を長くでき、充実したアフターファイブを過ごせるでしょう。
私の勤務する病院では、カレンダー上の3連休の日曜日と月曜日に日勤を希望するというものです。
日勤の場合は、よほど緊急がない場合は早く帰宅できます。夜勤を希望した場合でもOPE後の患者も比較的落ち着いていて、ある程度の軽症な人であれば外泊や退院も多かったので仮眠もとりやすいです。
逆に、連休明けの平日をまたぐ夜勤や日勤では検査などが溜まっていることもあり、朝から採血をしなくてはいけない人数が多いため、避けたいシフトといえます。そのため、避けるように前後の勤務希望を調整していました。
まとめ
本当は好きなときに出勤し、休みたいときに好きなだけ休めるのが理想ですが、我々看護師にとってそれは夢のまた夢といえます。
しかし、シフトの出し方ひとつで休みが増えたように錯覚し、得をしたように思わせることはできます。休み希望をたくさん出せない病棟もあるため、今回ご紹介した方法が難しい場合もあるでしょう。
しかし、勤務する病院がどのような就業規則をもとにシフトを作っているのかを知ることで、あなたのライフワークバランスを改善する隙間を見つけることはできるはずです。
まずはご自身ができることを最大限活かし、上手なシフト希望で仕事とプライベートの充実を両立させていきましょう。
もし、いまの職場で希望するシフトで働けない場合は、転職エージェントにご相談ください。専門のコーディネーターがあなたの希望する働き方にマッチした職場を紹介してくれますよ。
転職活動をする際も、しっかりサポートしてくれますので、忙しい職場で勤務していても働きながら次の職場を見つけることが可能です。新しい環境で働きたいと考えている方は、転職エージェントを活用してみてはいかがでしょうか。