看護師の職場の「暗黙のルール」にモヤモヤしています
20代女性、血液内科勤務、転職経験なし
私が勤務している病棟では「暗黙のルール」があり、モヤモヤしています。たとえば、休憩室にはソファーとパイプ椅子があり、「新人看護師はソファーを使わない」などです。
先輩にハッキリと指導されたわけではありませんが、暗黙のルールとして雰囲気が伝わってきます。同じ病院の同期に話すと、他部署ではそのような暗黙のルールはないそうです。
ほかにも細かな暗黙のルールがあり、働きにくさを感じます。私が割り切って我慢すべきなのでしょうか、それとも何か対策ができるのでしょうか?
組織は人の集まりであり、いつの間にか「暗黙のルール」が作られがちです。影響力のあるスタッフへの忖度がそのまま暗黙のルールとなってしまうことが多く、そのスタッフがいなくなっても暗黙のルールは消えません。
そのため、先輩に暗黙のルールがなぜ行われているのかを聞いても不明なことが多く、ストレスを感じる方も多いのではないでしょうか。
今回は病棟に存在する「暗黙のルール」について説明し、あわせて対策もご紹介します。
病棟ごとに存在する「暗黙のルール」
「暗黙のルール」とは、就業規則や病棟マニュアルなどで明文化されていないが、病棟の看護師の共通認識として周知されているルールです。ネガティブな印象をもつかもしれませんが、働きやすくするための工夫もあり、一概になくすべきとも言い切れません。
暗黙のルールの例を見ていきましょう。
ナースコールは新人看護師が取る
「受け持ち患者さんの負担が小さい新人看護師がナースコールを取るべき」という暗黙のルールをもつ職場があります。たしかに、新人看護師の受け持ち患者さんは比較的軽症な場合が多いです。しかし、新人看護師はわからないことが多く、常に余裕がないのも事実です。あまり把握していない患者さんのナースコールを負担に感じる場面も。
夜勤入りではメンバーに配るお菓子を準備する
長丁場の夜勤はお腹が空いてしまいますよね。そのため、自分だけでなくほかのメンバーへの差し入れとして、夜勤入りでお菓子を持参することが暗黙のルールとなっている場合もあります。差し入れ自体は大変ありがたいものです。しかし、なかにはお菓子をあまり食べなかったり、差し入れ選びに気を使いすぎたりする看護師もいます。そのため、周囲の気遣いとしての差し入れのはずが、暗黙のルール化してしまうと逆効果となる場合もあるのです。
新人看護師は誰よりも早く出勤する
新人看護師がほかのスタッフよりも早く出勤して情報収集や、ケアの準備を行うのが暗黙のルール化している病棟もあります。「私たちもそうしてきたから」と先輩から後輩へ伝えられるパターンが多いようです。自分にできることがないか、新人看護師が自ら考えるのは大変よい心がけかもしれません。しかし、暗黙のルールに甘えて新人看護師に仕事を押しつけるのは悪い習慣です。
「暗黙のルール」についてほかの看護師がどのように思っているかこっそり確認する
暗黙のルールに疑問やストレスを感じた際には、まず、ほかの看護師がどのように感じているかを確認してみてはいかがでしょうか。あなただけがモヤモヤを感じているのではなく、同じような思いに悩む看護師もきっといるはずですよ。
また、ほかの看護師に暗黙のルールに関する認識を確認する際は、愚痴をこぼすような態度は好ましくありません。あくまで、なぜ暗黙のルールがあるのかを確認するだけ、という態度が必要です。
なぜなら、暗黙のルールは不要、理不尽なものもあれば、合理的な理由がある場合もあるからです。確認をせずに不満を他者にぶつける態度は社会人として好ましくありません。話しやすい看護師から、慎重に思いを確認していきましょう。
明らかに不要、理不尽なルールは撤廃できないか管理職に相談する
多くの看護師が理不尽だと感じ、存在理由が不明な暗黙のルールは不要だと言えるかもしれません。そのため、管理職に一度相談してみるのをおすすめします。その後、病棟会などの機会で正式に、暗黙のルールの存在を明らかにし撤廃していきます。
管理職をとおさず、いきなり病棟会で暗黙のルールの撤廃を求めるような動きはやめておくのが無難かもしれません。なぜなら、病棟を管理するのが管理職の役割であり、権限を越えた行為であると捉えられかねないからです。
いくら暗黙のルールが理不尽で、あなたの主張が正しくても、適切な方法で撤廃を求めないとうまくいきません。組織の一員であると意識し、自分の立場をわきまえた対応が大切ですね。
ただし、新人看護師に求められる役割やマナーは忘れてはいけない
理不尽な暗黙のルールは撤廃されるべきです。しかし、新人看護師には社会人として求められる役割やマナーがあります。指導を行い、新人看護師の分まで業務を負担してくれる先輩への感謝の気持ちは忘れてはなりません。
先輩看護師の行動を当たり前だと思わず、指導を素直に受け入れ、職場に貢献する態度が大切です。一人ひとりの看護師が他者を尊重する姿勢をもち、職場全体に貢献するための行動を考えると、暗黙のルールは不要なのではないでしょうか。
逆に、ほかのスタッフへの配慮がない人が多く、暗黙のルールで縛らないと働きにくい職場は危険と言えるかもしれません。スタッフそれぞれが、自然に他者を思いやり、配慮できる職場環境を実現していきたいですね。
まとめ
今回は看護師の職場の暗黙のルールの例や、対策についてご説明しました。案外、多くの看護師が暗黙のルールにモヤモヤを感じているものです。勇気を持って声に出してみると、解決への道が開けるかもしれませんよ。
しかし、影響力のある看護師が得をするような暗黙のルールは、場合によっては撤廃が難しいこともあります。残念ながら、そのような職場風土は変えられる見込みが少なく、異動や転職が有効といえるかもしれません。
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