「急性期」と「慢性期」は何が違うの?どっちが働きがいがあるの?|看護師の転職お悩み相談【看護師ドットワークス】

「急性期」と「慢性期」は何が違うの?どっちが働きがいがあるの?

20代女性、外来勤務、転職経験なし

私は外来でしか働いたことがなく、近い内に病棟への異動または転職を考えています。そこで悩んでいるのが、「急性期」と「慢性期」のどちらを選ぶべきか、ということです。

看護学生の頃の実習ではどちらも経験したのですが、実際に看護師として働くイメージは湧いていません。同級生にも急性期と慢性期の両方を経験した方がいないため、両者を比較した意見が聞けない状況です。

急性期と慢性期はどのような違いがあるのでしょうか?また、どちらの方が働きがいがあるのでしょうか?

看護師の転職お悩み相談の質問

急性期と慢性期のどちらで働くか悩む看護師はとても多いのではないでしょうか。なぜなら、「まずは急性期で経験を積むべき」という風潮がありながら、すべての看護師が急性期に向いているわけではないからです。

それぞれの病棟では状態の異なる患者さんが入院しており、看護師に求められる視点も異なります。今回は急性期と慢性期のそれぞれの特徴をご紹介します。ご自身にとっての働きがいや、適性について考える判断材料となれば幸いです。

急性期とは?

急性期とは、症状の変化が急速かつ短期であり、医療の必要度や依存度が高い状態の患者さんの状態です。短期間で回復から治癒に向かう場合もあれば、生命の危機に陥る可能性もあります。

そのため、医療者は常に患者さんの生命維持を最優先に考えなければなりません。また、同じ急性期病棟であっても、病状が急変した患者さんを受け入れる病棟や手術前後の患者さんを受け入れる病棟などの違いがあります。

急性期看護の特徴

急性期看護の特徴は、スピード感やフィジカルアセスメントの知識が求められることです。症状を自ら訴えられない患者さんも多く、看護師は患者さんの変化を捉えて早期に介入していく必要があります。

加えて、医療処置や検査が多いのも特徴です。患者さんによっては高度な医療機器を複数使用している場合もあるため、専門知識やスキルも求められます。

治療がうまくいき症状が落ち着いた患者さんは、退院したり慢性期病棟へ移行したりします。しかし当然ながら、すべての患者さんの治療がうまくいくわけではありません。

中には、集中的な治療の甲斐なく、亡くなってしまったり重度の後遺症を患ったりする患者さんも珍しくありません。

急性期病棟で働く看護師には、患者さんの状態変化に動揺しないメンタルも必要です。一方で、患者さんの訴えにしっかりと耳を傾ける時間や余裕がないことも多く、違和感をもつ看護師が多いのも特徴かもしれません。

慢性期とは?

慢性期とは、症状が大きく変化しない状態が長く続いている患者さんの状態です。患者さんによって、徐々に状態が改善される場合もあれば、悪化していく場合もあります。

急性期病棟では生命維持がメインであるのに対し、慢性期では患者さん自身がいかに病気と付き合っていくべきかに焦点を当てます。慢性期の患者さんは、表面的には落ち着いているように見えますが、複雑な問題を抱えている場合も少なくありません。

そのため、患者さんの身体面だけでなく、精神面や社会面といった、さまざまな角度からの支援が必要です。

慢性期看護の特徴

慢性期看護の特徴は、治療を継続しながら病気の受け入れやセルフケア能力向上も、同時に支援することです。患者さんの中には、脳梗塞による半身麻痺など、日常生活を送る上でさまざまな障害や制限が必要な方もいます。

したがって、入院中の疾患や症状の管理だけではなく、退院後の生活を見据えた支援が必要となります。患者さん本人だけでなく、家族も含めたQOL向上が目標です。

慢性期病棟で働く看護師には、長い経過を辿る患者さんの支援ができる辛抱強さも必要です。一方で、医療処置やケアは急性期と比べると限定的であるため、スキルを身に着けたい看護師には不向きといえるかもしれません。

価値観によって働きがいが変わってくる

急性期と慢性期、それぞれの特徴をざっくりとご説明しました。では、「どちらの方が働きやすいのか?」という点について考えてみましょう。

結論からお伝えすると、どちらの方が働きやすいと言い切ることはできません。なぜなら、働きがいは看護師の主観によって決まり、個人の価値観に大きく左右されるからです。

仕事にスピード感や緊張感を求める看護師には、急性期病棟こそ働きがいがあると感じるかもしれません。

一方で、患者さんを身体面だけでなく心理面や社会面をアセスメントし、より良く生きていくための支援にやりがいを見出す看護師は、慢性期病棟に向いているといえます。

まずは、自分の「看護観」を見つめなおしてみることからはじめるといいかもしれません。あなた自身が看護師として、何を最優先にして患者さんの看護をしていきたいかを、掘り下げてみるといいですよ。

幅広い経験は必ず活かされる

自分の看護師としての適性は、実際に急性期や慢性期の病棟で働いてみてわかる場合もあります。働きだしてから、「思っていた看護ができない……」とやりがいを見いだせない場面もあるかもしれません。

しかし、職場にやりがいを見いだせなかったとしても、看護師としての幅広い経験は必ず活かされます。次の異動や転職の後に、より大きく飛躍するための準備期間だと割り切って働くのもアリですよ。

ただし、自分の適性とかかわらず、職場がブラック化しており働くこと自体が苦痛である場合には早期の対応が必要です。「働きがい」と「働きやすさ」は意識して、分けて考える必要があります。

まとめ

急性期と慢性期の病棟には、それぞれ異なる看護師としての視点が求められ、やりがいが存在します。そして、自分自身の看護観によって働き甲斐も変わるものです。ぜひ、方向性を決めるために、じっくりと考える時間を作ってみてはいかがでしょうか。

転職エージェントでは、病棟への転職を考える看護師の転職支援を行っています。転職を成功させるポイントは、転職者と医療機関のニーズをマッチさせることです。自分自身が何を求めて転職をするのか、明らかにする必要があります。

コーディネーターとの面談を通して、あなたの転職ニーズを明らかにしてみてはいかがでしょうか。ぜひ、お気軽に相談してみてくださいね。

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