看護師のキャリアアップの形にはどのようなものがありますか?|看護師の転職お悩み相談【看護師ドットワークス】

看護師のキャリアアップの形にはどのようなものがありますか?

看護師8年目、28歳女性、循環器内科病棟勤務

先日、看護師長との面談で移動の希望について聞かれました。いまの部署に配属されて5年目になり、循環器内科での看護は楽しいし、後輩の指導も始まったところなので移動の希望はないことを伝えました。

看護師長が言うには「キャリアアップのためには移動も必要だけど…」といった話もされましたが、本当にそうなのでしょうか?

看護師のキャリアアップの形について教えてください。

看護師の転職お悩み相談の質問

看護師としての経験を積むと、キャリアアップの話は出てくるものです。たしかに、今回の看護師長が言うように、部署移動がキャリアアップにつながることもあります。一方で、相談者さんが疑問に思ったことも間違いとはいえません。その理由は、看護師のキャリアアップにはさまざまな形があるからです。

キャリアアップを目指すことは、看護師としてのモチベーションを高く保ってくれます。また、それにともなって知識や技術が向上し看護の質も上がります。そのため、自分だけでなく患者さんにとってもよいことです。

そこで今回は、「看護師のキャリアアップ」の形についてどういったものがあるのかを解説していきます。

役職からみるキャリアアップ

相談内容の看護師長が言っていたのは、おそらく役職を考えたキャリアアップの意味合いが強いのではないでしょうか。

一般的に看護師が働く部署には、「看護師長」「主任」といった管理職が配置されており、さらに上になると看護部長などの病院全体の管理をする役職になります。

病院によって上の役職へと昇進する条件はさまざまですが、実際に私の勤務している病院では「二部署以上の勤務経験」というのが、主任への昇進条件に明記されています。そのため、管理職や看護部長といった役職に昇進し、キャリアアップを目指すためには定期的な部署移動が必須です。

部署の管理を行うためには、ほかの部署の病院での役割やどういった方法で連携をとっているかを把握する必要があります。病院全体を管理する看護部長ともなれば、さらに高い水準での能力が求められるでしょう。

管理職として「部署をもっと働きやすくしたい」「看護師全体のレベルを上げたい」といった思いがある人は、役職としてのキャリアアップが向いていると思います。一方で、「管理職には興味がない」「ずっと最前線で看護がしたい」といった人は面談などの際に、その旨を上司にしっかりと伝えておきましょう。

また、必ずしも移動の理由が看護師としてのキャリアアップとは限りません。欠員の出た部署の人員補充など、ほかにもさまざまな理由があります。移動を打診されたときには、しっかりと理由を確認し判断してください。

資格からみるキャリアアップ

看護師として、役職につくことだけがキャリアアップではありません。自身の看護技術を高めることも立派なキャリアアップです。しかし、せっかく知識や技術を向上させても、それを証明できないとキャリアアップとはいえません。そのため、ここでは看護師が取得できるキャリアアップにつながる主な資格をご紹介します。

認定看護師

日本看護協会が定めた資格で、看護師のキャリアアップとしては最も価値のある資格だといえます。それだけにほかの資格と比べても取得難易度は高いでしょう。

・看護師としての実務経験5年以上
・指定の教育機関での試験後、カリキュラムの受講
・カリキュラム受講後の認定試験に合格
・5年ごとの更新審査

以上の項目が認定看護師を取得する条件です。このほかにも、一時的な休職や移住が必要になるだけでなく、相応の費用もかかります。そのため、看護師として最も名誉な資格のひとつですが、取得可能かどうかを自身の環境を踏まえ判断しましょう。

私の職場でも、認定看護師を取得した先輩が数多く活躍しており、最新の知識と技術を身に着けた認定看護師は、職場でも頼りになる存在です。取得可能な環境にある人は、ぜひ目指してみてほしい資格のひとつです。

専門看護師

専門看護師は日本看護協会が定めた資格で、特定の分野における専門性の高い看護技術が実践できることを証明しています。習得には以下の条件を満たす必要があります。

・看護師としての実務経験5年以上(そのうち3年は目指す専門分野での実務)
・大学院での単位取得(2年間)
・単位取得後の認定試験に合格
・5年ごとの更新審査

「認定看護師と何が違うの?」と疑問に思う人もいると思います。認定看護師との大きな違いは、患者とほかの医療機関との連携を調整するという役割を担っている点です。

また、研究や教育など看護学の面においても高い専門性を発揮できます。認定看護師を現場のスペシャリストと例えるならば、専門看護師は看護全体のスペシャリストといえるでしょう。

ナース・プラクティショナー

ナース・プラクティショナーは、看護師でありながら医師が実践する医療行為の一部を制限付きで実施できる資格です。診療看護師と呼ばれることもあり、国が認めた看護師の資格として2008年より教育がスタートしました。

・5年以上の実務経験
・大学院での単位習得(2年間)
・日本NP大学院協議会の試験に合格

以上の条件を満たすと、診療看護師として働くことができます。動脈圧ラインの確保やドレーンの抜去、中心静脈カテーテルの挿入など、このほかにも通常の看護師ではできない仕事が実施可能です。

クリティカル部門での活躍が主で、患者さんの状態の変化に対して即座に対応できるため、医療全体の質を向上させる役割を担っています。比較的新しい資格ですが、この先の医療の核となる可能性のある資格です。救急や手術室、ICUといった命の最前線でキャリアアップを目指す人におすすめの資格です。

看護師になったあとのキャリア形成については、下記の記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

放送大学が叶えてくれる“看護師”のキャリアアップとは?

まとめ

看護師のキャリアアップと一言にいっても、「役職としてのキャリアアップ」なのか「看護師個人としてみたキャリアアップ」なのかによって内容がまったく異なってきます。しかし、どちらかしか選べないわけではありません。どちらも実現している看護師もたくさんいるので安心してください。

自分の看護師としての目標を設定し、いま必要なキャリアアップの方法は何なのかを考え実践しましょう。目標が達成されたとき、確固たる知識と技術をもった看護師は自他共に認められる存在になっているはずです。

また、患者さんは質の高い看護を受けられるので、ぜひ看護師としてキャリアアップを目指してみてください。

転職エージェントでは、キャリアアップを目指す看護師さんの転職をサポートしています。もし、いまの職場では希望するキャリアプランが形成できない場合は、転職を検討してみてはいかがでしょうか。

専門のコーディネーターが、あなたにぴったりの職場を紹介してくれますよ。ぜひ、お気軽に相談してみてくださいね。

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