家庭の事情でのブランクがあります。職場復帰したいけど不安です。
30代女性、潜在看護師
出産を機に医療現場を離れて7年が経ちました。育児が一段落し、看護師として現場復帰を考えています。けれど、ブランクが長くなってしまったため不安で、なかなか行動に移れません。
元々働いていた職場への復帰も考えました。しかし、忙しさについていける自信がなく、すでに顔見知りの看護師もいないため、あまり前向きな気持ちにはなれません。
私のように現場復帰に悩む看護師はいるのでしょうか。そして、現場復帰を成功させる看護師はどのような行動をとっているのでしょうか。
看護師の資格を保有しながら臨床を離れている人は「潜在看護師」と呼ばれています。平成24年度発表の厚生労働省の資料によると、潜在看護師の人数は約71万人にもなるとされました。
引用:看護職員の現状と推移(厚生労働省)
潜在看護師が現場復帰を成功させるポイントは、事前の情報収集と準備です。これらを抜かりなく行えば、スムーズに現場復帰できる可能性がグッと高まりますよ。今回は、潜在看護師が職場復帰するために知っておきたいことをご説明します。
「85%」の潜在看護師が職場復帰を希望している
大阪労働局の行った意識調査では、「85%」の潜在看護師が現場復帰を希望しているという結果が得られました。
引用:「潜在看護師に係る意識調査」結果とりまとめ(大阪労働局)
現場を離れて潜在看護師になった理由は人それぞれですが、多くの潜在看護師が現場復帰を望んでいることがわかります。では、なぜ多くの潜在看護師は現場復帰を望んでいるにもかかわらず、それが叶わないのでしょうか?
ブランクのある看護師が復帰を目指す際の2つのハードル
ブランクのある潜在看護師が現場復帰を目指す際に2つのハードルがあります。
①家庭との両立への不安
②仕事についていけるかの不安
それぞれ詳しく状況をご説明します。
①家庭との両立に不安がある
結婚や出産をきっかけに潜在看護師となった方にとって、仕事と家庭の両立への不安は大きなハードルです。とくに子どもが小さい時期は体調変動も多く、急な休みが必要になるかもしれません。家庭の事情で夜勤ができないのも、選択肢を狭める大きな要因です。「夜勤手当がもらえないなら割に合わない」と考える潜在看護師も多いのかもしれません。
また、大阪労働局の意識調査では「介護のため」「家族の協力が得られない」という回答もありました。看護師のハードワークを支えるには家族の協力の大切だと言えます。
②仕事についていけるか不安
医療現場を長く離れていた潜在看護師は、看護技術や知識を忘れているのではないかと不安に感じる傾向にあります。自分自身の変化だけでなく、医療現場の変化も不安材料のひとつです。近年、電子カルテが急速に普及してきました。現場で働いていた頃に、紙カルテしか扱ったことがない潜在看護師にとって、大きな不安材料となるのではないでしょうか。
そして、人間関係への不安も大きいかもしれません。看護師はスタッフとのコミュニケーションが多い職業なので、新しい人間関係に溶け込めるのかも大切なことです。
復帰へのハードルの乗り越え方
潜在看護師の復帰へのハードルは主に「①家庭との両立への不安」「②仕事についていけるか不安」の2点だと説明しました。ハードルはあるものの、実際にハードルを乗り越えて現場復帰を成功させた潜在看護師も多くいます。
復帰のハードルの乗り越え方をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
家族の理解・協力は不可欠
家庭の事情で現場復帰が難しいと考える潜在看護師は、まずは家族の協力が得られないか相談することからはじめるとよいかもしれません。配偶者はもちろん、子どももある程度大きくなっていれば、家事を手伝うことができます。要介護の家族がいる場合、介護の一部に福祉を利用できないか検討するのも一つの手です。現場復帰によって得られた給与の一部を、時間や労力を確保するために利用するとよいかもしれませんよ。
ナースセンターの研修や相談を活用する
都道府県ナースセンターでは、復職のための研修や相談が実施されています。看護技術や知識に不安がある場合は利用してみてはいかがでしょうか。また、復職支援の場には同じように、現場復帰に不安を抱える潜在看護師が集まります。情報交換の場としても活用すれば、より不安解消につなげられますよ。
ブランクのある看護師でも働きやすい職場
潜在看護師が現場復帰する際の職場選びも大切です。ブランクのある看護師でも働きやすい職場をご説明します。
時間の融通が利く職場
家庭との両立に不安を抱える潜在看護師は、時間の融通が利く職場を選ぶのをおすすめします。具体的には、スタッフの人数に余裕があり急な勤務変更に対応できる、残業がないあるいは少ない職場などです。小さな子どもがいる場合は、院内託児所がある職場があれば心強いですね。常勤でも夜勤なしの勤務形態もありますので、情報収集してみるとよいかもしれません。
潜在看護師の復帰に理解のある職場
仕事についていけるか不安を抱える潜在看護師は、現場復帰に理解のある職場を選ぶとよいです。具体的には、フォローの体制はあるか、同じ境遇の潜在看護師が復帰に成功した例があるか、などです。最初の数か月さえフォローしてもらえれば、現場復帰はとてもスムーズになります。逆に、入職してすぐに即戦力として現場に送り出される職場は避けた方がよいかもしれません。
まとめ
今回は潜在看護師の現場復帰へのハードルと、その乗り越え方についてご説明しました。現場復帰への不安はとても大きいものだと思います。しっかりと情報収集と準備をして、不安を解消していきましょう。
転職エージェントでは、ブランクのある潜在看護師さんの職場復帰を支援しています。コーディネーターは医療現場と密に連絡を取っていますので、潜在看護師さんがスムーズに現場復帰できるように最新情報を提供してくれますよ。
現場復帰を成功させるには、潜在看護師さんのニーズと医療現場のフォロー体制をマッチさせなければなりません。コーディネーターとの面談を通して、マッチングを行ってみてはいかがでしょうか。