職場の給与の低さだけが不満です。転職すべきでしょうか?
20代女性、小児内科勤務、転職経験なし
小児内科に勤めています。看護学生の頃から小児科で働くことが夢だったので、毎日がとても充実しており楽しいです。業務が忙しい日もありますが残業はほとんどなく、人間関係にも恵まれています。
ただ、職場の給与がとても低く、それだけが不満です。お金がすべてではないのは十分にわかっていますが、ほかの病院に勤める看護師と比べるとがっかりしてしまいます。やりがいや働きやすさを給与と比べてよいのかもよくわかりません。
私は給与UPを目指した転職を検討すべきでしょうか。それとも、やりがいや働きやすさを重視して、いまの職場に残るべきなのでしょうか。
給与に関する不満は相談しにくいものですよね。実は表向きは別の理由を言っていても、給与への不満が原因で転職を検討する看護師の方は少なくありません。そのため、質問者さまの思いは特別なことではないといえます。
今回は給与の低さを理由に転職を検討する看護師が知っておきたい判断材料についてご説明します。ぜひ、参考にしてみてください。
給与の高さは看護師のQOLに直結する大切な要素
看護師のQOLは仕事のやりがいや人間関係、ワークライフバランスなどのさまざまな要素が複雑に絡み合って決まるものです。給与の高さも看護師のQOLを左右する大切な要素のひとつであり、無視することはできません。
たまに「看護師は使命感をもつべき。お金で職場を選ぶべきではない。」という意見を聞くこともあります。たしかに、使命感をもつことは責任感、やりがいを維持する上でとても大切です。
しかし、看護師自身が長く健康に働き続けるには、生活の安定や余暇の充実はかかせません。お金に振り回されるのは避けるべきですが、給与を無視した職場選びもバランス感覚にかけているといえるのではないでしょうか。
すべての条件が完璧な病院はない
やりがい・ワークライフバランス・人間関係・給与の高さ、など……。これらの要素がすべて求める水準を超える病院があれば、ぜひそこで働きたいですよね。残念ながら、すべての面において完璧な病院というのはありません。
そこで考えておきたいのが「職場に求める優先順位」です。やりがい・ワークライフバランス・人間関係・給与の高さ、などの要素は看護師によって優先順位が異なります。まずは自分なりに「譲れない要素」と「妥協できる要素」を順位付けしてみましょう。
給与への不満を解消する方法がないか検討してみる
給与への不満を解消する方法は転職だけに限りません。せっかく給与以外の条件が良い病院で働いているのであれば、転職以外の方法で給与への不満を解消する方法を探してみるのもよいかもしれません。
いくつか給与への不満を解消する方法をご紹介します。
管理職への昇格を目指す
主任や師長などの管理職になれば、昇給または役職手当による給与UPが期待できます。管理職になるメリットは金銭面だけではありません。仕事に対する責任が増える分、自分の意向を職場に反映させることができます。つまり、管理職になると給与UPだけでなく、自分のやりたい看護の実現にも近づけるということです。管理職は希望すれば必ずなれるものではないかもしれませんが、目指してみる価値はあります。
余裕があれば兼業してみる
職場での残業が少なく、体力面に余裕があれば兼業も検討してみるとよいかもしれません。本業の休日に週1回でも看護師のアルバイトによる兼業をすると、給与面での不満はかなり解消されるでしょう。いつもの職場と違う場所で働くことにより、気分転換や看護の幅が広がるというメリットもあります。転職を本格的に考えるための判断材料にもなりますので、前向きに考えてみてもよいかもしれませんよ。
支出を見直してみる
金銭面の不満の解消方法は給与UPだけではありません。支出を見直してみることも、とても有効な手段です。とくに最近は「サブスクリプション・サービス」と呼ばれる、定額使い放題のサービスが人気です。便利なサービスも多いですが、利用しなくなったサービスの解約忘れも多く、気がつかない内に浪費している方もいるかもしれません。ほかにもコンビニでの無駄遣いなど、なんとなくの習慣でやってしまう浪費は見直しが必要です。
そして、支出を見直して使えるお金が増えた分、自分の本当に好きなことを楽しむのにお金を使うと、QOL向上が見込めるのではないでしょうか。
ライフイベントを見据えた生涯年収も考慮する
結婚や出産などのライフイベントを予定している方は、それを見据えた働き方も考える必要があります。たとえば、給与の高い病院に転職したとしても、忙しく残業が多すぎる場合は家庭との両立ができないかもしれません。
そのような場合、多少給与が低くても家庭と仕事を両立できる病院で働き続ける方が、長い目で見るとより多くの収入が見込めるでしょう。
大切なのは生涯年収を考えた職場選びです。目先の給与の高さで職場を選んでも、体調を崩して長く働けなかった場合は、逆に生涯年収を下げてしまいます。
つまり、多少給与が低くても結婚や出産後も同じように働ける職場を選ぶことで、長い目で見ると金銭面での不満を解消しやすいといえるのです。
給与UPを目指した転職もあり!
自分の職場選びの優先順位で給与が最上位にあって、かついまの職場では金銭面の不満が解消できない場合は転職を検討するのもありです。
転職によって失うものはあるかもしれませんが、不満が解消できてトータルでプラスになると考えるのであれば転職成功といえるのではないでしょうか。
給与面を重視した転職であれば、目先の給与だけでなく「長く働けて生涯年収を高められる」という視点も必要です。長い目で考えた職場選びをしていきたいですね。
まとめ
今回は給与の低さを理由に転職を検討する看護師が知っておきたい判断材料についてご説明しました。金銭面を理由に転職を検討することは、悪いことではありません。さまざまな選択肢がありますので、じっくり考えてみるとよいかもしれません。
転職エージェントでは給与UPを目指す看護師さんの転職支援を行っています。給与は看護師のQOLに直結する大切な要素です。現状に不満があるのであれば、転職エージェントに相談してみてはいかがでしょうか。