2年目になったらコロナ病棟への移動を言い渡されそう。いまから不安でしかたない。
1年目看護師、22歳女性、内科病棟勤務
最近、新型コロナウィルスが再び感染拡大してきました。そこで、私の働いている病院でも、新型コロナ患者の受け入れ用病棟の設置案が出されることになりました。
正式決定はしていないのですが、もし設置が決まったら、2年目になる来年以降、新型コロナ病棟への移動を言い渡されそうな気がします。なぜなら、病院側が設定する「独身」や「一人暮らし」などの条件に当てはまっているからです。
やっといまの病棟にも慣れてきたというのはもちろん、自分も新型コロナウィルスに感染するのではないかと、移動には不安な考えしか浮かびません。どうすればいいでしょうか?
日々の忙しい業務に加え、新型コロナウィルスへの対応お疲れ様です。
新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、全国的にも新型コロナ病棟の設置を新たに検討する病院も増えてきていると聞きます。
看護師になって1年にも満たないと、まだまだ病棟での看護も学ぶことが残されているでしょうし、その中での新型コロナ病棟への移動の可能性はとても不安になりますよね。
そこで今回は、相談者さんの「新型コロナ病棟への移動がどの程度可能性があるのか」や「新型コロナ病棟での看護」について、実際の現場の様子も含めて解説していきます。
新型コロナ病棟での看護について
新型コロナ病棟といっても漠然としたイメージだけで、自分も感染するのではないかという不安だけが大きくなっていくと思います。
病院にもよりますが、実際の新型コロナ病棟での看護は通常の看護業務と大きな違いはありません。そのため、どういった部分が大きく違うのかをおさえていれば、抱えている不安も少なくなるのではないでしょうか。
また、不安を少なくするためには、新型コロナ病棟での看護をどう自分の中で考えるかも重要になってきます。
感染対策は最重要
新型コロナ病棟と一般の病棟の大きな違いは、なんといっても「感染対策」です。無菌室などの特殊な病棟で勤務経験があると知っているかもしれませんが、看護師1年目となると未知の世界だと思います。新型コロナウィルス患者の看護では、自分が感染しないことはもちろん、自分以外の看護師が感染しないように細心の注意を払わなければなりません。そのため、ガウンテクニックや手指衛生のタイミングなど、ガイドラインをもとに、病院のよって新型コロナ病棟での感染対策が決められています。
とはいっても、配属直後から完璧に実施できる人はほとんどいません。配属前に感染対策の事前トレーニングがあると思いますので、安心してください。
重症度の高い患者を受け持つ可能性は低い
新型コロナ患者は、病院ごとに受け入れ基準が決まっていることが多いです。呼吸器障害がある重症の患者まで受け入れるのか、無症状~軽症状の患者までを受け入れるのかによって求められる看護は変わってきます。重症患者を受け入れていたとしても、呼吸の管理が必要な重症患者は、基本的にICUなどに入院、もしくは経験豊富な看護師の担当となる場合が多いです。そのため、相談者さんのように看護師経験1年目の方が、重症患者を受け持つ可能性は限りなく低いといえます。
患者を受け持ったとしても、無症状~軽症状の患者になるとは思います。しかし、感染対策という面では重症患者と違いはありませんので注意が必要です。
新型コロナ病棟での業務をどう捉えるか
現在、新型コロナ病棟での感染対策は、かなり高い水準で実施されています。また、新型コロナウィルスに限らず、看護師は日々、自らの感染や患者への感染をいかにして防ぐかを考える職業です。これから看護師として勤務していく中で、いつ新型コロナウィルスのような新たな感染症が発生するかわかりません。
そのため、新型コロナ病棟での勤務をきっかけに、「最先端の感染対策を学び身につける」という点においては、看護師としてのスキルアップが見込めるのではないでしょうか。
新型コロナ病棟移動の可能性
相談者さんが何よりも気になっているのが「自分に移動の可能性があるのか」という点だと思います。病院が提示している「一人暮らし」や「独身」といった条件には当てはまっていると、自分が移動になるのではないかと不安になりますよね。
病院ごとの基準もありますので一概には言えませんが、相談者さんの新型コロナ病棟移動の可能性について考えてみます。
実は移動の可能性は高くない
相談者さんのように、経験年数が1年未満の看護師が2年目以降すぐにコロナ病棟に配属になるケースはあまり耳にしたことはありません。その理由は、先ほども述べたように、新型コロナ病棟での看護では高い感染対策の技術が求められるからです。そのため、病院内の規定で生活背景のほかにも「経験年数」や「勤務病棟」を指定している場合があります。
たとえば、私の病院では「看護師経験3年以上」や「急性期または呼吸器系の病棟勤務経験者」という条件が指定されています。もう一度、病院の配属条件を再確認してみるのはいかがでしょうか。
また、記載されていない場合もありますので、詳細を上司や看護部に尋ねてみると正式な回答をもらえるはずです。
どうしても無理なら断ることも
ここまで新型コロナ病棟での勤務の可能性は低いといってきましたが、0%ではありません。そのため、どんなに不安を抱えていても移動を言い渡されることはあると思います。しかし、病院の提示した条件にマッチしていても、そのほかの生活背景や体調などさまざまな理由で新型コロナ病棟での勤務に不安を残すことは十分に考えられます。
その場合は、無理に勤務を受け入れる必要はなく、断るに至った事情を丁寧に説明しましょう。正当な理由であれば、病院側も適切に対応してくれるはずです。
まとめ
相談者さんだけでなく、新型コロナ病棟での勤務は多くの看護師が不安を抱えています。そのため、自分の病院の新型コロナ病棟ではどういった看護が行われているのか、勤務条件はどうなっているのかをしっかりと把握する必要があります。
また、新型コロナ病棟での看護はマイナス面だけではありません。「感染対策を学ぶ」という点や「新型コロナ感染によって心身ともに弱っている患者の力になれる」点など、看護師として力を発揮・スキルアップできる場面が多くあるのも事実です。
相談者さんのように勤務年数がそれほど多くなくても、新型コロナ病棟へ移動の相談があったときは、それだけ看護師として評価されていると自信をもっていいと思います。
新型コロナ病棟で移動の相談があった際には、以上のことを踏まえたうえで、自分の生活背景や体調などを考え決断してみてください。
もし、新型コロナ病棟での勤務に不安を拭えない場合は、転職を検討するのもひとつの方法です。転職エージェントでは、新型コロナウィルスの影響で転職を希望している看護師さんの転職支援を行っています。
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