吃音でも看護師はできますか?吃音の看護師が働きやすい職場を教えてください。|看護師の転職お悩み相談【看護師ドットワークス】

吃音でも看護師はできますか?吃音の看護師が働きやすい職場を教えてください。

2年目看護師、20代女性、外科病棟勤務

はじめまして。総合病院の外科病棟で勤務する2年目看護師です。私は幼いころから吃音症、いわゆるどもりがあります。緊張しているときや、焦っているときは、とくにどもりが強く出てしまいます。

いま働いている急性期外科病棟は、本当に忙しく、患者さんの状態もよく変化するので、リーダー看護師や医師に報告する機会がたくさんあります。急いで報告するから余計にどもりが出てしまい、うまく報告ができず怒られたり、自己嫌悪におちいったりします。

いまは基本的には自分の業務さえこなしていけばいいのですが、今後経験を重ねると後輩指導やリーダー業務、医師と話すことも増えていくでしょう。そのとき、スムーズに指示出しや報告ができず、周りに迷惑をかけるのではないかと不安です。吃音の看護師が急性期という忙しい病棟で働いていてもよいのでしょうか?

看護師の転職お悩み相談の質問

幼いころから吃音症とのことで、いろいろと大変な思いや、辛い思いをされてきたことと思います。吃音は大人になっても100人に1人の割合で見られる、珍しい障害ではありません。

看護師の仕事は人の命を預かる責任の重い仕事であり、緊迫した空間で業務をこなしていき、さらに忙しさから自分に余裕がなくなることも多々あります。そのような環境だと余計に吃音が強く出てしまいますよね。また、看護師にとって患者さんとのコミュニケーションは必要不可欠なものであり、吃音だからといってそれを疎かにすることはできません。

では、吃音の看護師が働きやすい職場はどんなところがあるのでしょうか。今回は、吃音についての基礎知識、また吃音の看護師が働きやすい職場、職場での対処法などについて紹介します。吃音ではない人も、いつ吃音の人と出会うかはわからないので、ぜひ記事を読んで、吃音について理解を深めていただけたらと思います。

吃音症(きつおんしょう・どもり)とは?

吃音症とは、話し言葉が滑らかに出ない発達障害のひとつです。吃音の特徴的な症状は以下の3つです。

・音や語の一部の繰り返し(連発)
例「こ、こ、こ、こんにちは」、「けつ、けつ、けつあつ」

・引き伸ばし(伸発)
例「こーーんにちは」、「けーーつあつ」

・言葉が出せずに間があいてしまう(難発、ブロック)
「・・・こっ、こんにちは」、「・・・けつあつ」
発話の流暢性(滑らかさ、リズミカルな流れ)を乱す話し方

吃音は「発達性吃音」と「獲得性吃音」の2つに分類され、吃音の9割は発達性吃音だとされています。

発達性吃音

発達性吃音は2歳~4歳頃に発症することが多く、成長につれて解消する人が多いといわれています。しかし、大人になっても症状が残る場合もあります。その原因は遺伝的要因、発達的要因、環境要因などがありとされていますが、まだはっきりとは原因が分かっていません。

獲得性吃音

神経学的疾患や脳損傷などが原因で発症する獲得性吃音と、心的なストレスや外傷体験が原因で発症する獲得性吃音があります。どちらも発症時期は青年以降です。

吃音の看護師が働きやすい職場

高いコミュニケーション能力が求められる看護師の仕事。吃音の看護師が働きやすい職場とはどんなところなのでしょうか。まずお伝えしたいのは、吃音だからといって働いてはいけない病院や病棟はありません。吃音の人でも自分のやりたい看護ができる病院や病棟で働きましょう。

しかし、吃音であることが恥ずかしい、吃音であることで周りに迷惑をかけたくないという人も多いのではないでしょうか。なので、ここでは吃音の看護師がストレスなく働ける、働きやすい職場を紹介します。

慢性期病棟

やはり急性期の病棟は忙しく、仕事に追われることが多いので、先輩看護師や医師への報告も急いで行わなければならない場面がたくさんありますよね。焦れば焦るほど、吃音が強く出てしまう、しかし早く報告しないと患者さんの状態が急変する可能性もあるでしょう。なので、患者さんの急変や状態変化が比較的少ない、慢性期病棟の方が働きやすい職場だといえます。

慢性期の看護は、スピードよりも、ゆっくり丁寧に患者さんと関わることが重視され、患者さんとのコミュニケーションは急性期看護よりも、より大切になります。吃音だからといってコミュニケーションを疎かにすることだけは避けましょう。ゆっくり丁寧に話せば、相手に必ず伝わります。

手術室

手術室看護師は、患者さんと話すことや家族対応が少ないのが特徴。コミュニケーションの主は、手術に関わる医師やME、同僚看護師となります。術中はみんな手術に集中しているので、必要最低限の会話だけで、多くの言葉を交わすことは少ないです。

会話量が少ないので、働きやすく感じるのではないでしょうか。ただし、手術室でも急変はありますし、緊急手術の受け入れなどで、緊迫した雰囲気になることもあります。緊急対応で焦ってしまい、吃音が強く出てしまうという可能性もあります。

外来やクリニック看護師

病院の外来やクリニックに来る患者さんは、重症患者さんはほとんどおらず、急変対応をすることは病棟に比べると圧倒的に少ないです。緊迫した雰囲気になることもありませんし、ゆっくり自分のペースで仕事が行えるのが特徴です。

しかし、患者さんとのコミュニケーションは病棟看護師よりも必要となります。高いコミュニケーションスキルが求められるのが外来看護師。急いで話す必要はないのですが、患者さんにうまく説明できず、クレームにつながるなんてこともあり得ます。

吃音のある看護師の職場での対処法

「話すこと」を避けられない看護師の仕事。つぎは、吃音のある看護師の職場での対処法を紹介します。

報告する時は事前にまとめておき、メモに書いておく

吃音でなくても焦っていると、言葉が出なくなるのはみんな同じです。報告する時や、申し送りの前は、頭の中で話す内容をまとめるだけではなく、メモに書く習慣をつけましょう。メモを読み上げる感じで報告すれば、比較的スムーズに話せるのではないでしょうか。

また、吃音の人にとって、人前で話すことを繰り返すことは大切なことです。話すことに不安や緊張はあるかもしれませんが、出来るだけ人前で話すように心がけてください。成功体験が自信にもつながるでしょう。

同僚看護師に吃音であることを伝える

吃音であることを周りに伝えることで、吃音のため難しい業務を少なくしてもらえたり、相手もゆっくり話しを聞こうという気持ちにもなります。どうしても言葉がスムーズに出ないときは、書きながら話すということもできます。また、吃音で話し方に癖があることを周囲に伝えてしまった方が、話すことへの不安が少しは軽減し、症状が軽減することもあるでしょう。

まとめ

吃音は、本人の努力だけではなく、周囲の理解も必要です。人とのコミュニケーションがかかせない看護師の仕事は、吃音の人にとって、とても大変なことだと思います。自分が吃音であることを同僚看護師や仲の良い医師に相談してみるのはいいことです。

また、吃音でも働きやすい職場へ転職するのもいいでしょう。吃音を気にしすぎて、コミュニケーションに苦手意識を持ったり、やりたい看護をあきらめたりすることがないように仕事をしていけたらいいですね。

吃音とうまく付き合い、周囲の理解とサポートを受けながら、看護師として活躍してほしいと思います。

転職エージェントでは、吃音に悩む看護師さんへの転職支援を行っています。いまの職場では働き続けることが困難と感じたときは、ぜひ相談してみてください。専門のコーディネーターがあなたにぴったりの職場を紹介してくれますよ。

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