忙しくなると余裕がない態度を取ってしまい自己嫌悪します……
30代女性、脳神経外科勤務、夜勤ありのフルタイム勤務
看護師経験が長くなり、通常業務に加えて、リーダー業務や後輩指導も担当するようになりました。とてもやりがいを感じる反面、仕事が忙しくなると心に余裕がなくなり、周囲に八つ当たりのような態度を取ってしまいます。
いつも、後から振り返り「焦るような場面じゃなかった」と自己嫌悪してしまいます。一緒に働くスタッフにも、悪影響を及ぼしているのではないかと不安です。
なぜ、私は忙しくなると余裕がなくなってしまうのでしょうか。そして、どのような対策を取っていくべきなのでしょうか。
看護師の仕事は責任が重く、独特の緊張感がつきものです。忙しくなり、心の余裕がなくなるという状態は、看護師であれば誰もが一度は経験しているのでしょう。ですので、「焦っているのは私だけ」と落ち込みすぎる必要はないかもしれません。
ですが、心の余裕がなくなる原因を知り、対処法を実践することで、ある程度は状況を改善できるものです。今回は、忙しいと心に余裕がなくなる原因とその対処法について説明しますので、参考にしてみてください。
忙しいと心の余裕がなくなる原因
まずは、忙しいと心の余裕がなくなってしまう原因から押さえていきましょう。主な原因は、以下の3点です。
①責任感が強いのが裏目に出ている
②「できていないこと」に焦点を当てがち
③変化に対応するのが苦手
それぞれ順番に見ていきましょう。
責任感が強いのが裏目に出ている
看護師の業務は患者さんの命に関わるものであり、責任を感じるのは当然のことです。加えて、リーダー業務や後輩指導にも関わっていれば、より大きな責任を感じているものだと予想できます。与えられた業務や責任に対して、しっかりと取り組む姿勢は大変すばらしいものです。しかし、責任感が強くなりすぎると、思い通りにいかない場面で余計なストレスが生じてしまいます。
「できていないこと」に焦点を当てがち
看護師は多くの業務をこなしており、必ず「できたこと」と「できていないこと」の両方が出てくるものです。実は、「できていないこと」があること自体は、大きな問題ではありません。「できていないこと」ばかりに焦点を当ててしまうことが問題であり、ネガティブな気分になってしまいます。大きな失敗さえ避けていれば、「できていないこと」を気にしすぎる必要はありません。
変化に対応するのが苦手
医療現場は状況変化が早いのが特徴です。つねにアンテナを張っていないと、変化から取り残されてしまい、余裕がなくなってしまいます。そして、状況変化への感度は人により異なるものです。ほかの人は気がついて早期に対応できる変化でも、気がつくのに時間がかかってしまうため、心に余裕がなくなってしまいます。
対処法①忙しくなる前に先手を打っておく
忙しくなると心の余裕がなくなる原因について説明しました。続いて心に余裕がなくなったときの対処法を3つ、説明していきます。
①忙しくなる前に先手を打っておく
②仕事の優先順位と割り振りを見直す
③ストレスを抱え込まないための方法を知る
まずは、「忙しくなる前に先手を打っておく」から見ていきましょう。看護師の業務は「予測できる業務」と「予測できない業務」に大きくわけられます。
「予測できる業務」とは、ケアや処置、検査といった、ある程度の予定が決まっている業務です。看護記録や点滴準備なども含まれます。
「予測できない業務」とは、緊急入院や患者さんの体調変動など、突然割り込んでくる業務です。インシデントへの対応や、一部の後輩指導なども含まれます。
「予測できる業務」への準備を済ましておくと余裕ができる
心の余裕を保つポイントは、余裕のあるうちに「予測できる業務」に対する準備を済ませておくことです。準備を済ませておくことで、突発的な業務が割り込んできたとしても、そちらの対応に集中できます。病棟が落ち着いており、油断している時に限って「予測できない業務」が降りかかってくるものです。余裕があるからと、ゆっくりと仕事をするのではなく、先を見通して時間的な貯蓄を作っていきましょう。
対処法②仕事の優先順位と割り振りを見直す
つぎの対処法は、仕事の優先順位と割り振りを見直すことです。看護師は多重業務になりがちであり、やるべきことが増えると焦ってしまうかもしれません。
しかし、すべての業務を今すぐに行わなければならない、ということはありません。優先順位を見極めて、後回しにできる業務は後回しにしてしまうので、心の余裕を保つポイントです。
人間は同時に複数の仕事をこなすのが苦手なようにできています。ひとつの業務を終わらせてから、次の業務に取りかかる方が結果として早く終わるものです。
自分でやらなくてもよい業務を思い切って人に割り振る
そして、すべての業務を自分ひとりで抱え込んでしまうのも、心の余裕がなくなる大きな原因です。自分だけに業務が集中してしまっていれば、思い切ってほかのスタッフにも業務を割り振っていきましょう。ほかのスタッフに業務を割り振るのを申し訳なく思う方もいるかもしれません。ほかのスタッフが同じように余裕がないときに、積極的に声をかけて助け合いができればよいと考えていきましょう。
対処法③ストレスを抱え込まないための方法を知る
最後に、自分自身のストレスを抱え込まないために、自分なりのストレス解消方法を知っておきましょう。
仕事に集中するのと同じくらい、休養をしっかり取ってストレス解消することは大切です。自分だけの時間を作ってリラックスし、仕事から離れて楽しむ時間を意識的に作ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は忙しくなると心の余裕がなくなってしまう原因と対処法について説明しました。余裕がなくなってしまうのは、ある意味では仕方がないといえますが、原因と対処法を知っておくと気持ちが楽になりますよ。
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転職を成功させるポイントのひとつは、自分自身の転職ニーズを明らかにすることです。すべての条件において完璧な病院はありませんが、複数の転職エージェントでニーズに沿った転職先を探してみてはいかがでしょうか。