短期間での退職を繰り返してしまい悪循環です……
20代女性、無所属
私は看護師として長い経験が無いのに、短期間での退職を繰り返してしまい、転職回数だけが多くなってしまいました。短期間での転職を繰り返してきた経歴が、今後の足かせになってしまうのではないかと不安です。
新卒で入職した病院を1年ほどで退職したのをきっかけに、さまざまな職場で勤務したものの長続きしません。退職の理由は人間関係だったり、職場環境だったりとさまざまです。
看護師の仕事は続けたいという気持ちはあります。しかし、これ以上転職回数を増やしたくないという気持ちもあります。どうすれば短期間での退職を防ぐことができるのでしょうか。
短期間での転職を繰り返している相談者さん。長続きする職場をなかなか見つけられないのは、とても辛いですよね。
今回は短期間での退職・転職についての考え方とそれを防ぐポイントについて説明します。
短期間での転職は基本的におすすめしない
まず、短期間での転職を繰り返すことは、理由にもよりますが基本的にはおすすめできないことを知っておきましょう。
理由としては①知識や技術が定着しない②転職時に不利になりやすい、この2点が挙げられます。
①知識や技術が定着しない
看護師に求められる知識や技術は、勤務する場所によって大きく異なります。たとえば、急性期病棟やICUなどに勤務していれば、フィジカルアセスメントの深い知識やスピード感のある対応が求められます。それに対して、慢性期や回復期・リハビリ病棟などでは入院中だけでなく、退院後の患者さんの生活を見据えた関わりが必要です。
知識や技術を定着させるには、ある程度の時間が必要になります。1~2年以内に転職してしまうと、勤務している職場の特色を学びきれないことになってしまいがちです。
②転職時に不利になりやすい
転職時に提出する履歴書で、最初に見られるのが職歴です。短期間での転職を繰り返していると、面接官に「うちもすぐに辞めてしまうかも」とマイナスな印象を与えてしまいかねません。もちろん、面接で退職理由をしっかりと説明できれば挽回できる可能性はあります。しかし、短期間での退職を繰り返すほど、次の転職の選択肢が狭まると考えていた方がよいでしょう。
看護師の転職回数の実態
「看護師は転職が多い職業」というイメージを持っている方もいるかもしれません。ところが、厚生労働省の調査によると、看護職のこれまでの退職回数で最も多いのが「0回」で「39.4%」、2番目に多いのが「1回」で「26.5%」だとされています。
出典:「看護職員就業状況等実態調査結果」(厚生労働省)
さらに、退職回数が「5回以上」と回答した看護職は「3.5%」とされています。この結果から、転職回数が多い看護師はイメージよりも少ないといえるかもしれません。
看護師は元々の人数が多いため、転職回数が多い人が目立つように感じがちです。しかし、実際の割合を見ると、転職を繰り返す看護師は少数派だといえます。
もちろん、転職回数が多い少数派の看護師が悪いというわけではありません。目的意識を持った転職はキャリアアップや自己実現につながります。不本意な転職を繰り返すのを避ければ、問題ありませんよ。
短期間での退職を防ぐための職場選びのポイント
短期間での退職を防ぐために最も大切なのは適切な職場選びです。職歴に空白期間ができてしまうのを恐れて、焦って職場を選んで転職してしまうのは失敗の原因となってしまいます。
焦る気持ちもわかりますが、職場選びに失敗してしまうと本末転倒です。これから紹介する3つのポイントを押さえて、自分に合った職場選びをしていきましょう。
①自己分析して退職につながるリスクを知る
最初にやるべきは、自己分析により過去の退職理由を振り返り、どのような職場が退職リスクが高いかを知ることです。たとえば、残業が多いのがストレスで退職につながったのであれば、つぎの職場選びの最優先ポイントは残業の少なさになります。夜勤が苦手であれば、夜勤をしない勤務形態が選べる職場選び、などです。
退職理由は人それぞれであり、すべての人が不満をもたない職場はありません。しっかりと時間をかけて、自己分析を進めておくことが短期間での退職を防ぐポイントです。
②幅広い働き方ができる医療機関に勤める
自分に合った働き方がはっきりとしていない方は、幅広い働き方ができる医療機関に転職するのがおすすめです。働きながら他部署の様子を知ることができますので、自分に合った働き方をしっかりと考えられますよ。また、働いてみたい部署が見つかった場合、同じ医療機関であれば異動することで退職せずに済むのもポイントです。異動は職場の都合によりいつでもできるとは限りませんが、目標が定まれば短期間での退職は防げるのではないでしょうか。
病棟だけでなく、手術室、訪問看護、外来などのさまざまな部署で看護師が働く医療機関を探してみるといいでしょう。
③効率の良い情報収集を行う
自分に合った職場選びのための情報収集は効率良く行いたいですよね。とくに働きながら転職活動をする方にとって、時間や体力は限られています。妥協した情報収集では、転職先でも短期間での退職をするリスクが高まってしまいかねません。そこで、ぜひおすすめしたいのが転職コーディネーターへの相談です。自分自身の希望する職場の条件を伝えることで、プロが情報収集を代行してくれます。
自分だけではアクセスできなかったはずの情報にも、アクセスできるかもしれませんよ。
まとめ
今回は短期間での退職・転職を繰り返してしまう方に向けた対策を説明しました。明確な目的のない退職・転職を繰り返してしまうのは、デメリットが大きいので避けたいところです。今回紹介したポイントを参考に、自分に合った職場探しをしてみませんか。
転職を成功させるポイントのひとつは、適切な情報収集です。転職エージェントを利用して、最新の転職情報をチェックしておきましょう。
また、短期間での離職を防ぐには、自分自身のニーズを明らかにしなければなりません。複数の転職コーディネーターとの面談を通して、あなたのニーズを明らかにしていきましょう。ぜひ、お気軽にご相談ください。