看護師の転職時期はいつが理想的ですか?
4年目看護師、26歳女性、内科病棟勤務
看護師になったときに「とりあえず3年間は頑張る」と漠然とした期間を決めていました。当時は3年間という期間を大した意味もなく設定していましたが、この3年間で自分でも成長を感じるほど技術や知識は向上したと思います。
また、新しく学びたい分野について考える余裕もでてきました。最近は、現在勤務している病院よりも、より専門性の高い治療を行っている病院への転職も考えています。
しかしいざ転職となると、看護師経験3年という少ないキャリアで転職は可能なのか、また1年のうちどの時期で転職するのがベストなのかなど、自分では解決できない悩みがでてきました。
転職する際にベストな時期やタイミングなどはあるのでしょうか。
看護師にとって3年という期間は、よく一人前になるまでに必要な期間だといわれることが多いです。おそらく、プリセプター経験やリーダー業務などを経て成長するのに3年程度かかるので、そのようにいわれているのでしょう。
自分でも成長を実感できるほどであれば、周りの上司や同僚はそれ以上に相談者さんの成長を感じているはずです。
相談者さんは看護師として成長したことで、日々の看護業務の中から自分の興味関心のある分野を明確に理解しはじめたのではないでしょうか。
今回は看護師の転職時期について、「キャリアから考えるベストな時期」「1年間からみたベスト時期」という2つの”時期”に注目して解説していきます。
看護師のキャリアから考えるベストな時期
単刀直入にいうと、具体的に転職には「〇年目がベスト」といった答えはありません。転職において経験年数ごとにメリットやデメリットが存在しているからです。
転職を考えるときは「転職先の施設が求めていること」と「自分の将来的な展望・職場で果たせる役割」を照らし合わせることが重要になります。
1~3年目
中途採用を出している施設は看護師に即戦力を求めていることが多く、経験年数が1~3年目の看護師は即戦力とみられないケースが多いようです。また、求人内容にも経験年数の条件が設定されているものもあり、選択肢としてはそれほど多くあるとはいえません。
もちろん、経験年数が少なくても実力がある看護師さんはたくさんいます。しかし、看護師としての実力は実際に働いてからではないとわからないため、履歴書や面接時の会話で実力をアピールするのは難しいでしょう。
そのほかにも、経験年数が少ない看護師は、採用を検討する際に「またすぐに辞めてしまうのではないか?」という懸念を少なからず抱かれます。これに関しては、面接や履歴書で相手側の懸念に対してフォローする必要があります。
たとえば「看護師として早い時期から〇〇病院の看護を学びたいと思ったから」といった内容で熱意をもって訴える方法が効果的です。
1~3年目の看護師は転職が難しいケースも多いのですが、逆に経験年数が少ないことが強みになる場合もあります。なぜなら、理念や実際の看護技術、看護以外のさまざまな業務が施設ごと違っているからです。
そのため、経験年数の少ない看護師は、新しい施設の看護に順応しやすく教育がしやすいというメリットがあります。この時期に転職をするのであれば、転職する熱意にこういったメリットを加えた内容でアピールするのがいいでしょう。
4年目以降
相談者さんのような経験年数が4年目以降の看護師は即戦力として期待され、転職においても有利な時期といえます。4年以上の勤務経験があると、社会人としての人間性も高く評価される傾向にあります。そのため、病院以外にも企業や訪問看護など選択肢が一気に広がるのも特徴です。
一方で選択肢が多い分、今までの看護経験から「どんな看護師になりたいのか」を軸に、転職先の施設が自分の希望にどれだけ沿ったものかをしっかりと考える必要があります。
そのため、漠然と「ただなんとなく職場環境を変えたい」「人間関係に疲れた」という理由で転職を進めてしまうと環境が好転しないばかりか、悪化する危険もあり注意が必要です。
相談者さんのように「もっと専門性の高い病院で学びたい」という明確な目標がある場合には、積極的に自分の希望を叶えられる転職先について考えてみてもいいでしょう。
このように、4年目以降の転職は就職に有利に働くことが多いです。しかし、経験年数を重ねると自分の中での看護の方法や考え方が凝り固まってしまい、新しい施設での看護に馴染めないことがあります。
私自身も、看護師5年目に手術室から別の施設の手術室へ転職しました。その際に、清潔不潔の概念や手術方法、物品の整理など、今まで自分の中に確固としてあった考えを変える必要があり混乱した経験があります。
転職自体の難易度は高くないので「前の職場とのギャップに対応する」「看護師としてのビジョンをしっかりもつ」の2点に注意していれば、看護師・施設にとって理想的な転職が実現できるはずです。
1年間からみる転職にベストな時期
転職に適した時期を考える際には「求人情報が多い」と「転職希望者が少ない」という2つの要素を重視する必要があります。
1月~3月は、3月末で退職する看護師分を補填しようとするため、看護師の求人数が上昇し自分の希望条件に適した職場が見つかりやすくなります。
せっかく転職するのであれば、多くの求人情報を比べて自分の希望により近い職場を選びたいですよね。
一方で、転職希望者が少ないのは12月や1月だといわれています。転職希望者が少ないことは、それだけライバルが減ることにつながります。
つまり、看護師求人数が多く転職希望者が少ない12月と1月は、1年間でもっとも転職に適した時期といえるでしょう。
まとめ
今回は看護師の転職時期について、「キャリアから考えるベストな時期」「1年間からみるベスト時期」という2つの”時期”に注目して解説しました。
転職は自分の看護師としての将来、ひいては自分の人生を決定する重要な選択です。今回の解答を自分の思い通りの転職活動にするための参考にしてみてください。
転職にベストなタイミングは、一人ひとり異なります。自分にとってベストな時期に転職できるように、前もって準備をしておきましょう。
転職の準備をはじめるなら、ぜひ転職エージェントをご利用ください。専門のコーディネーターがあなたにベストな転職活動をアドバイスしてくれますよ。