看護サマリーがうまくまとまらない

23歳男性、1年目看護師、転職経験なし、夜勤ありのフルタイム勤務

就職して早くも１年が経ちました。少しずつ業務には慣れてきてはいますが、まだまだできないことがたくさんで日々奮闘しています。独り立ちできる業務も１つずつ増えてきています。

カルテ記載も先輩に指導を頂きながら、行ってはいますが、なかなか一回で合格はでず、毎回訂正をしています。カルテ記載の中でも看護記録のサマリーをどのように書けばよいのか毎度悩みます。どうすれば、看護記録のサマリーをうまくまとめて書くことができるのでしょうか？

看護記録のサマリーを書くのは本当に難しいですし、面倒くさいと思っている看護師の方も多いのでもないでしょうか。私も、自分が書いているだけの頃は面倒くさいな、としか思いませんでした。

しかし、実際に転院してくる患者さんが持ってくる看護サマリーを見るようになってから、看護サマリーの必要性をとても感じるようになりました。

特に、病院から在宅に戻る患者さんの場合、多くの問題を抱えたまま退院してくる方がたくさんいます。病院では物品や設備が整っているので問題点になりにくいことも、在宅に戻れば設備も物品もそろっていません。

ですので、点滴ひとつでも、きちんと段取りをしなければ、行うことが出来ないのです。ですので、あらかじめ情報源となる看護サマリーはとても重要な役割を担っているのです。

看護サマリーのおさらい

まず、看護サマリーとは、どういったものなのかをおさらいしましょう。看護サマリーとは、患者さんの病歴や看護についての情報を要約したものの事をいいます。

なので、この看護サマリーを読めば、患者さんがどういった状態であるのか、現在の状況はどのようなものであるか、伝わらなければいけないのです。では、看護サマリーはどうすれば読み手にも理解してもらいやすい内容にすることが出来るのか説明していきたいと思います。

看護サマリー基本情報

まず、初めに記載するのは、氏名・生年月日・住所・連絡先・キーパーソンといった内容です。この際に気を付けなければいけないのが、氏名の漢字やフリガナ、生年月日や連絡先、住所に誤りがないのかをきちんと確認してください。

また、聞き取りが出来ているのであれば、家系図とキーパーソンは誰であるのかを記載しておくほうが次の担当する病院や施設でも引継ぎがしやすいと思います。

看護サマリー既往歴

次に記載しなければいけないのが、既往歴です。今までに大きな病気やケガをしたことがあれば記載します。この時、何年にどのような診断名がついたのか、また手術をしたのかを単的に記載することをお勧めします。

例えば、平成〇年△月　　急性胆嚢炎と診断され、緊急手術で胆嚢切除術施行、といったような内容で記載するととても解りやすいと思います。

看護サマリー現病歴

一番書きづらいと思っている方が多いのが現病歴です。現病歴は今回治療する病気やケガとなった理由から、現在の状況について記載します。現病歴を記載する際には、いつ、どこで、どのようになったのかを書く事に重点を置いて記載してみてください。

例えば、平成〇年△月×日、午前〇時頃、自宅で胸部痛を訴え救急に連絡し〇〇病院に救急搬送され狭心症と診断。点滴加療にて状態安定。

といったように、詳しく書くことで誰が読んでもどのような状況下であったのかを想像することが出来ます。サマリーを書いている際に解らないことがあれば、家族や本人に質問しそして、まとめると、とても分かりやすいサマリーを仕上げることが出来ます。

看護サマリー薬の情報

薬の情報では、用法・容量・服薬方法・管理方法・アレルギー情報・お薬手帳の有無など細かく記載してください。

看護サマリー日常生活動作

日常生活動作を記載する際の注意点ですが、入院中の場合、安全面や治療面を考慮され看護師がサポートすることがたくさんあるかと思います。

実際には本人が出来る能力であっても、実際に一人でやっておらず、看護師がサポートしている場合には、軽介助ときちんと記載してください。

できるであろうと予測して書くのは絶対にしないでください。また、認知症などの症状によって日常生活動作が低下している場合には、認知症であることもきちんと記載しておく必要があります。

看護サマリー、看護上の問題点

電子カルテを使用している病院では、看護上の問題点もリスト化されているため、なかなか個別的な看護上の問題点を挙げることが難しいと思われがちですが、リスト化されているからこそ、どれが当てはまるのかをじっくり考えることが出来ます。

現在、看護上の問題になっていることは引き続き注意して観察・ケアを行っていかないといけないことですので、じっくり考えて記載するようにしてください。

「特記事項」
上記の項目以外で申し送るべきことを記載します。特になければ「なし」と記載する。

例：こだわりが強く、統一した対応が必要。昼夜逆転傾向があるため、日中の覚醒を促す必要あり。など

看護サマリーを書く際の注意点

今まで説明した以外にも、いくつか注意点があります。まず一つ目が略語を使わないことです。特に病名ですが医師がカルテで略語を使っていたとしても、日本語訳の正式名称で病名は記載するようにしてください。

このほかにも、病院独自の略語があるかと思いますが、この略語は他院では通用しません。また、排便に関してもKOTなどの略語は使わず、きちんと排便と記載するようにしてください。

二つ目は、看護サマリーが完成したら、客観的な視点で読み返してください。患者さんに会ったことがなくて看護サマリーだけを読めば、だいたいどのような患者像であるか想像できるサマリーが質の高いサマリーといえます。

書く際には、頭で起こったことを順番にイメージしながら文章にしていくことで抜けがない看護サマリーを作成することが出来ます。ですので、客観的な視点でサマリーを読み問題ないかを確認することが大切です。

看護サマリーは慣れてくればスムーズに書くことが出来ます。また、ひとつひとつのポイントを押さえていくことで、だれが読んでもわかりやすい看護サマリーを作成ることが出来ます。

患者さんは病院に転院するのか、施設に入所するのか、在宅へ復帰するのかわかりません。ですので、だれがどのような状況で看護サマリーを見たとしても、状況が解るように記載しとかなければいけないということを頭に入れて作成するようにしてください。