インシデントを起こしてしまった時の振り返りと対策
26歳女性、2年目看護師、転職経験なし、夜勤ありのフルタイム勤務
私は、昨日インシデントを起こしてしまいました。配薬時に間違えて、違う患者さんの薬を飲ませてしまいました。自分では、確認をちゃんとしたつもりでしたが、間違えてしまいました。間違えて飲ませた患者さんもお変わりなく過ごされているのが救いです。
そして、すぐに飲ましてしまったことに気づき、医師にも報告し指示を仰ぎました。ですが、また、同じミスをしてしまうのではないか?そして、もっと重大なミスをしてしまうのではないか?という不安につぶされそうです。
インシデントを起こしてしまうのは、大なり小なり多くの看護師の方が経験することだと思います。ですが、多くの看護師の方がインシデントを起こすのであれば、これくらい大丈夫とは決して思わないでください。今回の誤薬も大事に至らなくて済んだようですが、患者さんの体に負担をかけてしまう可能性がとても高いです。
ですので、なぜインシデントを起こしてしまったのか?そして今後どうすればインシデントを行さないで仕事をすることが出来るのか?という事に向き合っていく必要があります
インシデントはさまざまな要因が重なって発生する
インシデントは一つの要因だけではなく、複数の要因が重なって発生します。
ダブルチェックの不足、集中力不足による思い込み、間違いが起こりやすい作業環境などの要因です。
よって、振り返りの際にはさまざまな角度からインシデントを分析し、要因を洗い出さなければなりません。
そして、一つ一つの要因に対して対策を立てることができれば、再発防止することができます。
今回のインシデントの要因を振り返り、対策を考えてみましょう。
インシデントを起こした要因1つ目は看護師の体調
では、今回なぜインシデントを起こしてしまったのでしょうか?考えられる要因をいくつかピックアップしていきたいと思います。
考えられる理由の1つ目は、「看護師が体調不良であり十分な集中力が保たれていなかった」ということです。
新人看護師時代は、仕事のストレスを解消できず寝つきが悪く十分な睡眠がとれないまま、次の日に出勤に行く方もいます。
そして、仕事から帰って家事や勉強をしていると気が付いたら夜中になってしまい睡眠がとれなかったという場合もありますよね。
このように、新人看護師時代は、十分な睡眠をとらずに出勤してしまうというケースがとても多いと思います。
きちんと睡眠を取っていないと、仕事中に眠くなってしまい十分な集中力を保つことができません。
家事や勉強は大切ですし、プライベートでストレス発散させることもとても大切です。
しかし、仕事に支障が出ると問題になりますので、仕事に支障が出ない程度に抑えるようにしてください。
インシデントを起こした要因2つ目は作業環境
考えられる2つ目の要因は「作業環境が適切ではなかった」ということです。
間違って配薬してしまったときの状況を思い返してみましょう。
複数の患者の薬を持っていたり、患者の名前が確認しにくかったりといった、不適切な作業環境が放置されていなかったでしょうか。
不適切な作業環境ではミスに気がつきにくくなってしまいます。
職場全体の整理整頓を見直してみましょう。
インシデントを起こした要因3つ目はインシデント対策が不十分だったこと
考えられる3つ目の要因は「インシデント対策が不十分だった」ということです。
配薬の間違いを防ぐための対策として職場で採用されているルールを見直してみましょう。
名前が似ている患者への対策、ダブルチェックの有無、患者に名乗ってもらっているか、といったインシデント対策がしっかりと機能していますか。
もしも、ルールに穴がありインシデントが発生していたのなら根本的な見直しが必要となります。
インシデントは対策を見直す機会にもなるのです。
まとめ
今後インシデントを起こさないような対策を理解して頂けたでしょうか?
人間の注意力には限界があります。
インシデントを起こしてしばらくは緊張感があり注意力を高く保つことができますが、いつまでも緊張感を保つことはできません。
よって、インシデントが発生しないような仕組みづくりが必要になります。
今回の事例のようにインシデントが発生した要因を洗い出し、一つ一つに対策を立てていきましょう。
患者に関わるミスは、患者の生命に関わることになります。
今回、患者の生命に影響は出なかったようですが、もしかしたら病状を悪化させていたかもしれません。
驚かせるわけではないですが、場合によっては裁判になってしまうこともあります。
インシデントを起こさないようにするためには、プライベートでストレスをきちんと発散し、出勤の前日には十分な睡眠を取るようにして下さい。
また、仕事に関する悩みであれば同僚や先輩、上司などに相談し悩みを引きずるのではなく解消するようにしてください。
そして、仕事中は業務内容に集中し常に緊張感を持ち、目視だけの確認だけではなく声出しや指だしのチェックをするように心がけてください。
これらは、配薬時だけではなくどの業務を行うにあたってもインシデントを起こさないための基本的な対策だと思います。
今回、ミスしてしまったことをなくすことはできませんが、今後同じ過ちを起こさないことが大切なことです。
最後に、インシデントを起こした後すぐに報告したことはとても良かったと思います。ミスをした後に、隠すことは決してしないでください。もしも、後から見つかれば大変なことになります。インシデントを行さないようにすることはとても大切ですが、そのあと対応もとても重要です。
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