「アセスメントができてない」と先輩に言われる|看護師の転職お悩み相談【看護師ドットワークス】

「アセスメントができてない」と先輩に言われる

23歳女性、1年目看護師、夜勤ありのフルタイム勤務、病棟看護師

看護師になって半年が経ち、業務にも慣れ先輩とペアで夜勤にも入れるようになりました。仕事で注意や指摘を受ける回数は減り自信もついてきたところ、先輩から「アセスメントができていない」と指摘を受けました。

看護学生の実習でもアセスメントで指摘されたことはなく、自分でもうまく書けていると思っていたので、看護師になり初めて指摘された時は正直納得できませんでした。今でも何が不足しているのかわからずに、悩んでいます。

どこがいけないのか先輩に確認する勇気はなく、先輩が立てているアセスメントと見比べてみても違いがわかりません。むしろ、先輩の方ができていないようにも思ってしまいます。どうすれば、先輩に指摘されないアセスメントができるのでしょうか。

看護師の転職お悩み相談の質問

患者さんのアセスメントは、奥が深いですね。実習中にアセスメントで悩む学生が多い中、指摘を受けたことがないのですから、アセスメントの必要性を理解して立案できていたことに自信をもちたいですね。

患者さんのアセスメントに正解はなく、看護師に視点や情報量によって若干の違いもでてきます。ではアセスメントについて、少し詳しくお伝えしますので参考にしてみてください。

1. アセスメントとは

アセスメントは

・主観的データー
・客観的データー

を分析し、評価することで合併症などの早期症状の発見また看護ケアの方向性に活かすためのものです。主観的情報とは、患者さん本人の訴えによるもの、客観的データーとは、バイタルサインや検査結果といった数値化されたものから情報を得ることができます。

改めて羅列すると、少し難しく感じますね。看護学生や新人看護師が苦手と感じやすい中、今まで指摘を受けることがなかったということは、完璧な分析ができていたのではないでしょうか。ではなぜ、看護師になってから先輩からアセスメントの指摘をされたのでしょうか。その理由は、主観的データーの情報にあるのかもしれません。

2. 主観的データーに個別性が出せているか

主観的データーは、客観的データーのように数値化や視的で得ることのできないデーターのことですから、患者さんの訴えや家族またはカルテの記載から情報収集し立案していきます。例えば外科病棟でオペ後2日目、65歳の患者さんが「夜眠れない」と訴えていると仮定してみます。

この場合の患者さんの訴えは「不眠」です。なぜ不眠を訴えているのかを考えた時、オペ後の傷が痛むのか・オペ後の傷が合併症を起こしていないか・慣れない入院生活のためなのかなどいくつかの原因予測を立てることができますね。

外科のオペ後の場合、一連の流れにそって回復期へと向かいます。経験や知識のある看護師であれば、症状が回復するまでの流れと予測される合併症はすでにインプットされていますので、アセスメントを立てることも難しくはありません。

ただ一連の流れにそって立てたアセスメントには、患者さん独自のアセスメント情報ではなく、他の患者さんでも共通する内容のアセスメントになっていないでしょうか。

「夜眠れない」=オペ後の合併症または環境の変化と結び付けるのは、看護師の独自の判断であり予測に過ぎません。本当に合併症を併発している場合もあれば、また別の要因が関連している可能性もありますよね。

3. 主観的データーは奥が深い

先ほどの例を、仮定として考えてみます。まず外科病棟に入院中の患者さんの場合、看護師が病室に訪室した際チェックするのは、オペ後の傷の痛みや傷の状態、ベッド上安静の患者さんの場合には、全身状態の観察をすることが一連の流れです。

患者さんには、何を聞きますか?「傷は痛みませんか」「夜眠れましたか」「食事は食べられましたか」など、患者さんにしてみれば毎回看護師が入れ替わりするだけで質問されることはたいていいつも同じです。

忙しいオーラー全開の看護師相手に「変わりないです」「はい、大丈夫です」と答える患者さんの方が多いのではないでしょうか。しかし「夜眠れない」の訴えの本当の原因は、傷の痛みでも環境のためでもないかもしれません。

・家に留守番させている飼いネコのことが気になっている
・自営業で、店の切り盛りを従業員や奥さんに任せていることが気がかり
・毎日が忙しく過ごしていたのに、何もすることがない時間への不安
・会社の部下や関係者が誰も見舞いにこないことへの失望

など、極端な例も含め不眠の本当の原因は、医師でも薬でも治せないところにあるかもしれません。

4. 主観的データーは日々の観察力を活かす

外科内科に限らずアセスメントの主観的データー収集をする場合には、対象となる疾患や傷だけではなく、患者さんの表情や声のトーンなどを日頃から観察していればわかることがあります。

いつもは明るい声で返答が返ってきていたのに、家族の面会があった後の表情は暗い・看護師と目を合わさない・イライラしている様子があるなど、なんらかの変化に気が付きます。

ただいきなり「何かありましたか?」と聞いたところで患者さんは答えてくれませんし、あれやこれやと質問したのでは、患者さんに不快な思いをさせてしまいますので注意が必要です。

看護師が病室の訪室回数や訪室時間が長ければいいというわけではなく、ちょっとした変化に気が付くことができれば、患者さんが本当に訴えたいことがわかるようになります。

ちょっといつもより様子が違うと感じたのなら、カルテから得た情報をもとに会話のきっかけを振ってみると「実は」と患者さんの方から話してくれることもありますので、主観的データーの情報内容も変わってきますよね。

まとめ

先輩からアセスメントができていないと指摘される理由のひとつには、患者さんの個別性が出せていないところに原因があるのかもしれません。

疾患やデーターを読み取る知識があれば、完璧なアセスメントはできあがります。でもそこに、患者さん自身が本当に困っている問題に対して立案ができているかどうか、見直してみてはいかがでしょうか。

患者さんのプライバシーに関する問題には介入できなくても、看護師は薬や治療だけでは治すことができない問題解決をする役割ができます。今後アセスメントを立案する時には、是非参考にしてみてください。

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