看護師は愚痴をいってはいけないのですか?
3年目看護師、夜勤ありのフルタイム勤務、仕事で愚痴を言いたくなったときの対処法を知りたい
日々の業務でイライラすることがたくさんあります。患者さんに理不尽なことで怒鳴りつけられたり、意地悪な同僚看護師から仕事を押し付けられたりすると気にせずにいられません。
今のところは愚痴を言わずに我慢してやり過ごす日々です。他の看護師は愚痴を言っている人もいれば、いつもニコニコして爽やかな人もいます。
どのように振る舞えばよいのかわかりません。看護師は愚痴を言ってはいけないのでしょうか?
看護師の仕事はとてもストレスが溜まりますよね。特にキチンと仕事をしようとする姿勢を持つ看護師ほどストレスを溜めがちな傾向にあります。
仕事に対して真摯に向き合うことはとても素晴らしい姿勢です。溜まったストレスを愚痴として吐き出したくなる気持ちもよくわかります。
しかし、愚痴を言うのはおすすめしません。なぜなら、周囲の雰囲気が悪くなりあなたの評価も下がるからです。
イライラした時に愚痴を言わずに対処する方法を説明しますので参考にしてみて下さい。
看護師はストレスが溜まりやすい職業
看護師はストレスが溜まりやすい職業です。厚生労働省の「平成30年度 過労死等の労災補償状況」によると、精神障害による労災が最も多い業種は「医療・福祉」だとされています。
引用:「平成30年度 過労死等の労災補償状況」(厚生労働省)
看護師のストレスの原因はさまざまです。
・ミスが許されない医療現場での緊張感
・患者さんや医療者との人間関係
・ハードな労働環境
・変則勤務による自律神経の乱れ
このようなストレス要因が看護師にはあります。看護師にとってストレスが溜まりイライラすることは特別なことではありません。
「自分だけイライラしてしまっている…」と思われている方は、決してそのようなことはありませんので思いつめないようにしましょう。
愚痴はトラブルの元になるので言わない方が良い
ストレスが溜まりイライラしたとしても愚痴を周囲の人に言うのは止めておきましょう。「口は災いのもと」という言葉があるように、愚痴が原因で人間関係のトラブルが起きることは少なくありません。
他人の愚痴や悪口は伝言ゲームのように内容が少しずつ食い違って伝わるものです。何気なく言ったつもりの愚痴でも、話が大きくなって本人の耳に届いてしまうこともあります。
また、愚痴は聞かされる側のストレスになり、言った側のストレスも発散されません。愚痴を言うことによって何度も嫌な気分を思い出すことになります。その場ではスッキリしたように思えても怒りや不満の感情に支配され続けているのです。
つまり、愚痴はトラブルの元になるだけでなく、ストレス発散にもなりません。思わず愚痴を言ってしまっていた方は控えるようにしましょう。
愚痴以外のストレス発散方法をつくろう
愚痴を言わないにしてもストレスは溜まっていきますよね。ストレスを溜めたままにしておくのは心身の不調をきたす原因になってしまいます。そのため、愚痴以外の方法でストレス解消方法をつくっておきましょう。
まず考えられるのがプライベートでのストレス解消です。家族との団らん、自然の中での散歩、読書、音楽鑑賞などがストレス解消効果を期待できます。
暴飲暴食、ショッピングでの無駄遣い、ギャンブルなどは逆にストレスを溜めてしまいます。あなた好みのストレス解消をプライベートに楽しみましょう。
ストレス解消はプライベートに限りません。仕事中にもストレス解消はできます。
方法は、①仕事ができるようになる②ストレスの原因となるイベントを避ける、この2つです。
①仕事ができるようになる
仕事ができるようになるは抽象的な表現ですが、「周囲から一目置かれて頼れる看護師になる」と考えて下さい。思うように仕事が進むと楽しくなるものです。周囲から認められることも嬉しいですよね。
もちろん、仕事の技量は一朝一夕では向上しません。楽しく仕事をするために日々の積み重ねが必要です。
②ストレスの原因となるイベントを避ける
ストレスの原因となるイベントを避けることは意外と見落とされがちです。不機嫌な看護師には近づかない、夜勤明けは速やかに帰宅し休息を取る、など積極的にストレスを避ける必要があります。避けられないストレスも多くありますが、避けられるストレスは積極的に避ける努力が必要です。
怒りの感情とうまく付き合うにはアンガーマネジメントを活用する
どうしても避けられないストレスにイライラして愚痴を言いたくなった時の対策としてアンガーマネジメントを活用しましょう。
アンガーマネジメントとは、アメリカ発祥の怒りの感情と上手く付き合うための心理トレーニングです。最近は医療現場の研修に取り入れられることもあり、注目されています。
アンガーマネジメントは怒らないのではなく、怒りの感情をコントロールし不要な場面でイライラしないことが目標です。自分の怒りのタイプを理解し、怒りをコントロールするためのテクニックを取得していきます。
看護師向けのアンガーマネジメントの研修も開催されていますので、興味があればぜひ参加してみましょう。
どうしても対応に困る場合は上司に相談
看護師はしばしば「白衣の天使」と表現されていますが、常識の範疇を超えた要求に答える必要はありません。患者さんの中には看護師の丁寧な対応に勘違いをしてしまう方もいます。
例えば、必要以上に距離が近かったり、人の尊厳を無視するような態度を取ったりする患者さんです。看護師の業務の範囲を超えていると感じたら上司に対応を相談しましょう。
勇気ある相談は他の看護師をストレスから守ることにもつながります。
また、他の医療者の態度にストレスを感じる場合もありますよね。このような場合にも、やはり上司への相談が有効です。感情的になりその場で反論したり、本人のいない場所で愚痴を言ったりはやめておきましょう。
喧嘩両成敗としてまともに取り扱ってくれなくなるかもしれません。あくまで自分は丁寧に適切な対応をしていたという事実が重要です。
さいごに
看護師は医療者の中でも特にストレスが溜まりやすい職業です。心身ともに健康な状態を保つにはストレス管理が欠かせません。
適切なストレス解消方法をつくり、愚痴を言わなくて済むように対処していきましょう。
しかし、どんなに努力しても状況が改善しない場合は、転職して環境を変えるのもひとつの方法です。人間関係だけでなく、職場に対しても相性はあるため、自分だけの頑張りではうまくいかないこともあるからです。
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