看護学校では基本的に病院で働くことを前提に授業や実習が行われています。その後、看護学校を卒業してそのまま病院に就職する方が大半ですので、病院以外で働く選択肢を知る機会がないものですよね。

しかし、看護師の資格やスキルを活用できる職場は病院以外にもたくさんあります。病院で働く看護師とは全く違った働き方もできますので、ぜひ参考にしてみてください。

看護師の病院以外の転職先は？

看護師として病院以外への転職先の例をいくつか見ていきましょう。今持っているスキルやキャリアを活かすことができれば、お給料アップや理想のライフスタイルの実現もできるかもしれませんよ。

①訪問看護師

訪問看護師の職場は利用者の自宅になります。

主な業務は訪問先で利用者の主治医の指示書に基づいた医療処置、利用者の健康状態のチェック、自宅環境の調整、事務所での管理統括業務です。利用者と深く関わることができますので、信頼関係を築くことができれば大きなやりがいとなるでしょう。

訪問看護師の特徴は夜勤がなく、業務のほとんどを自分一人で行うことであり、一定の知識やスキルが求められますが自分のペースで業務を進めることができます。お給料の水準は高めで、残業も少ないためお子さんのいる看護師にも人気です。

②美容外科、美容皮膚科看護師

美容外科、美容皮膚科看護師の職場は美容クリニックになります。

治療ではなく美容の目的で施術が行われますので、健康保険が適応されず患者の自己負担となる場合がほとんどです。売上を出してクリニックを維持するために、美容に関わる看護業務に加えて営業ノルマを達成していく必要があります。

逆に言うと、営業によって大きくお金を稼ぐことも可能ですので、美容に詳しい方やコミュニケーションが得意な方にはぴったりでしょう。また、美容クリニックは清潔感があり落ちついた雰囲気の職場ですので、病院の慌ただしい雰囲気とは違った経験ができます。

③保育園看護師

保育園看護師の職場は保育園になります。

保育園看護師の主な業務は、子どもたちの健康管理と保育士のサポート、保護者とのコミュニケーションです。子どもは体調を崩しやすいことに加え、好奇心旺盛であちこちに動き回るので感染予防をしていく必要があります。

保育士の補助として子どもたちと遊び、保護者とコミュニケーションを取ることも保育園看護師の業務の一環です。夜勤はなく基本的には土日休みとなっています。

保育園ですので子どもが好きなことは必須条件であり、保護者とのコミュニケーションや健康相談といった業務にやりがいを感じられる方におすすめです。

④産業看護師

産業看護師の職場は一般企業の健康管理室や相談センターとなります。

産業看護師の主な業務は企業の社員の健康をサポートすることです。健康管理やメンタルヘルスケアを行ったり、健康診断・健康指導の実施や資料作成を行ったりします。
企業規模が大きくなるほどお給料も高くなる傾向があります。

土日休みでスーツ着用となりますので、病院で働く看護師と大きく雰囲気が異なりますよね。そのため産業看護師は大変人気が高い転職先となっていますが、求人数が少ないのも事実です。

未公開求人もありますので、求人情報を得るには転職エージェントの利用はほぼ必須と言えます。

⑤高齢者向け施設の看護師

高齢者向け施設の看護師の職場は老人ホームや介護施設となります。

主な業務内容は利用者の健康管理や生活支援です。高齢者向け施設は治療の場ではなく生活の場ですので医療処置は少なめであり、介護がメインとなり、ある程度の体力が求められます。

施設の種類により利用者の介護度や業務内容が変わってきますので転職の際にはしっかりと確認しましょう。今後、少子高齢化が進行していけば、高齢者向け施設の看護師は人気が高まり競争も激しくなることが予想されます。

⑥ツアーナース、イベントナース

ツアーナース、イベントナースの職場は各々のツアーやイベント先になります。

基本的に単発の仕事で毎回違う場所に行くことになりますので、常勤希望の方には不向きですが様々な現場を経験してみたい方にはぴったりです。主な業務内容は旅行者やイベント参加者の急患対応です。

トラブルがなければゆっくり過ごすことができますが、急患が出た場合には迅速な処置と判断が求められます。

病院以外未経験でも転職可能なのか？

結論から言いますと、病院以外未経験であっても転職はできます。看護師は国家資格であり、病院での経験やスキルはしっかり評価されますので自信を持って大丈夫です。

しかし、転職したことで労働条件が悪くなったり、イメージと異なりやりがいを失ったりしては本末転倒ですよね。

まずはあなたの「やりたいこと」と「やりたくないこと」を明確にする必要があります。そして、あなたの知らない職場を見つけ、視野を広げるために幅広い情報収集をしましょう。

どうやって病院以外の転職先を探すのか？

基本的に看護師の病院以外の転職先は求人数が少なく希望者も多いため倍率が高くなりがちです。それに加えて、未公開求人であったり、転職サイト経由でしか紹介されていなかったりします。

ですので、早めの行動と適切な情報収集が転職を成功させるポイントです。まずは、転職エージェントに相談し、情報収集しながらご自分が病院以外で働くイメージを固めていきます。

そして、転職してみたい職場が定まったら求人情報を確認していきましょう。ぜひ、看護師の資格やスキルを最大限に活用していってくださいね！