記念受験したら認定看護師に受かってしまい、自信がないです
30代女性、内科病棟勤務
私はもともと認知症看護に興味があり自主的に学習していました。
職場の人からの勧めで認知症看護の認定看護師の教育課程を修了しました。
その後、認定試験を受けたところ思った以上に点数が良くまさかの合格。
正直なところ、認定看護師の資格を取得できた喜びよりも、専門家として特別な存在だと見られるのではないかという不安の方が大きいです。
知識や経験も自信が持てるほどありません。
認定看護師に憧れる人も多いようで私なんかが資格を取得できてしまったことを申し訳なく思ってしまいます。
私は今後、認定看護師の資格とどのように向き合っていけばよいのでしょうか。
まずは認定看護師の資格取得おめでとうございます。
認定看護師の資格取得までに多くの時間を研修や試験勉強にあてられて大変苦労したのではないでしょうか。
苦労した分だけ資格の価値を大きく感じるものですよね。
認定看護師としてどのように振舞うべきか、資格と向き合っていくべきかを説明します。
認定看護師に期待される3つの役割
認定看護師の資格を取得したあなたに期待されるのは「実践・指導・相談」の3つの役割です。
①熟練した看護技術及び知識を用いて水準の高い看護を実践する(実践)
特定の看護分野における高い水準の看護実践を行います。認定看護師は特に実践を重視する資格であり大切な役割です。
②看護実践を通して看護職に対し指導を行う(指導)
あなたが習得した高い水準の看護実践能力を他の看護師に伝えることで職場全体の看護水準を高める役割です。院内研修を開催したり臨床でスタッフへ直接指導を行ったりします。
③看護職等に対しコンサルテーションを行う(相談)
看護師から患者さんに関する相談を受けて解決に向けて支援する役割です。外来では患者さんや家族から相談を受けるケースもあります。
認定看護師の資格を保有することで得られるメリット
認定看護師の資格を保有することであなたの専門性を発揮する機会を得やすくなるメリットがあります。
職場内では部署を超えて相談や指導に携わる機会が増えるでしょう。
希望すれば外部研修の講師役として活躍する場面もあります。
他の看護師の模範となりリーダー役として頼られる場面が増えるため、キャリアップに有利に働くでしょう。
給与面では昇格・昇給、手当てがつく病院もあります。
しかし、待遇面で変化のない病院も多いのが現状です。
認定看護師は設立されて日が浅い資格であり待遇面での評価が追い付いていません。
今後、資格の認知度や重要性が高まれば処遇への影響も大きくなるでしょう。
また、認定看護師が能力を発揮するには患者さんが起きており、スタッフが多い日勤帯が望ましいと考えられています。
そのため、夜勤が免除される場合もあるため、夜勤が苦手な看護師にはメリットです。
ワークライフバランスを考えた働き方の選択肢の一つとしても注目されています。
資格を取得する過程にも大きな意味がある
認定看護師の資格の取得は周囲の人の役に立つだけではありません。
あなた自身、資格を取得する過程で専門性を持つ看護師として大きく成長しています。
6ヶ月間の教育課程を修了する中で専門性の高い知識や技術を学んだのではないでしょうか。
また、グループワークを通して他施設の看護師と意見交換、情報共有をした経験は大変貴重なものです。
認定看護師の資格の目的は看護ケアの広がりと質の向上を図ることです。
他の看護師の期待に応えるためでなく、患者さん中心に考えていかに良い看護提供できるかを考えていきます。
患者さんにより良い看護を提供するための手段の一つであると考えると気が楽になるのではないでしょうか。
あなた自身が臨床で実践するのも良いですし、チームで患者さんのケアを考えるのも自由です。
認定看護師の資格に振り回されず、あなたが患者さんに提供したい看護のために資格を利用するといった態度が望ましいでしょう。
交流会で知り合った他施設の看護師と情報共有する
認定看護師の資格を保有する看護師の交流会が各地で開催されていることをご存じでしょうか。
インターネットで検索すると各都道府県看護協会や医療団体が主催している交流会を見つけることができます。
交流会の内容は認定看護師としての活動の実際を共有する、テーマを決めてのディスカッションを行うなどです。
職場の枠を超えてベテラン看護師の豊富な知識や多様な価値観を触れたり、同年代の看護師と悩みや不安を共有したりと貴重な機会になるでしょう。
交流会での学びを職場に持ち帰ることで自信をもって患者さんにより良い看護を提供することができます。
認定看護師としての活動に不安がある方や情報収集がしたい方はぜひ参加してみましょう。
同じような不安を抱える看護師のために発信する
あなたと同様に認定看護師の資格に対する不安を抱える看護師は多いでしょう。
認定看護師の資格を取得した、あるいはこれから取得しようと考える看護師みんなが自信を持っている訳ではありません。
あなたが抱える不安を素直に表出することで同様の不安を抱える看護師にはとても参考になります。
職場の同僚に話すのも良いですし、匿名のブログやSNSを活用する方法もおすすめです。
自分にとって負担にならない方法で不安を発信してみましょう。
思いを発信することは他の看護師のためになるだけでなく、あなた自身が気持ちを整理する役にも立つはずですよ。
過度にプレッシャーを感じるのであれば更新しないのも選択肢の一つ
中には認定看護師としての周囲の期待に応えることがどうしても負担になる方もいるでしょう。
そのような方は5年ごとの更新審査を受けないことも選択肢の一つです。
認定看護師の資格を喪失すると指導や相談の機会を失うかもしれません。
しかし、資格に振り回されて自分のやりたい看護ができない方にとっては良い選択になることもあるでしょう。
認定看護師の資格を喪失したとしても、資格を取得する過程で得た知識や技術が失われることはありません。
あなたが最も専門性を発揮し、患者さんの役に立てる方法を考えていきましょう。
今の職場では自分のやりたい看護ができないと感じたときは、転職エージェントに相談するという選択肢もあります。転職エージェントなら、あなたのニーズに沿った働き方ができる職場を紹介してくれますよ。
ぜひ、複数の転職エージェントに相談して、自分らしく働ける職場を探してみてはいかがでしょうか。