これから看護師になるものです。職場のストレスはどんなものがありますか?
20代、1年目看護師、整形外科病棟勤務
看護学校を卒業し、これから看護師として働きます。就職するにあたって気になっていることが「職場のストレス」です。すでに働いている看護学校の先輩から「看護師の職場はストレスが多いよ」と、よく聞きます。実習で看護師の職場の雰囲気はある程度知ったつもりでしたが正直不安です。
看護師の職場にはどのようなストレスがあるのでしょうか。また、ストレスにはどのように対処すべきか教えてください。
まずは看護学校卒業と就職おめでとうございます。社会人としての一歩を踏み出したばかりで希望と不安が入り混じった気持ちですよね。そして、残念ながら看護師の職場はストレスが多いという情報は真実です。
しかし、心配しすぎる必要はありません。どのようなストレスがあるのか把握し、しっかりと対処していけば上手く付き合っていくことができますよ。
ストレス①「人間関係」
看護師の職場で人間関係にストレスを感じない人はほぼいないのではないでしょうか。もし、ストレスを感じない人がいたとしても周囲の人も同じように思っているとは限りません。実習で病棟に行った際にピリピリとした空気を感じた学生も多いはず。
人間関係におけるストレスは看護師同士だけでなく、患者・医師・他職種とさまざまな人とのコミュニケーションで起こります。気難しく高圧的な人、相手の気持ちを考えない無神経な人、ネチネチとしつこい人など・・・。このような人たちともコミュニケーションを取らないと仕事が進みません。
勤務表が出されると最初に自分の勤務と苦手な人の勤務が重なる日をチェックする看護師は多いです。特に夜勤は看護師の人数が少なく、コミュニケーションが密になるので意識します。
このように看護師にとって職場の人間関係によるストレスは永遠の課題と言っても過言ではないのです。
ストレス②「仕事の責任の大きさ」
「看護師の仕事=命を預かる」と考えましょう。
看護師の職場でストレスが生じやすいのは責任が大きい職場環境が原因の一つです。一つのミスが人の生死を左右してしまう職場なので、自分だけでなく他人の仕事にも注意をしなければなりません。口調が厳しくなりピリピリした空気になることも。特に夜勤では受け持つ患者も増えて責任も大きくなります。
経験年数を重ねると患者への看護だけでなく、リーダーとしてスタッフ全体に配慮したり役職がついて後輩指導したりする責任も生じます。自分の看護師としての力量が十分に育たないまま責任の大きな立場を任されることは大きなストレスです。
ストレス③「仕事の範囲が広く忙しい」
看護師の仕事は法律上では「療養上の世話又は診療の補助を行うこと」とされています。しかし、実際に現場で働きだすと「これも看護師の仕事なの?」と思わざるを得ない業務も多々あるものです。
例えば、書類整理や電話対応などです。職場によってはこれらも看護師のやるべき業務とされています。患者への看護や記録に加えてこのような雑用までこなしていると、とても定時までに仕事が終わりません。
また、経験年数を重ねた看護師は院内研修を担当したり、看護研究を発表したりする場面もあります。院内研修や看護研究の準備には多くの時間と労力を使うにも関わらず、普段の業務も並行して行わなければなりません。時には休日を丸々使って調べ物や資料作成に充てなければならないほどです。
このように看護師の仕事は患者への看護や記録だけでなく非常に多岐にわたります。忙しい日常業務加えて広い範囲の業務もこなさなければならないことは、看護師にとって大きなストレスです。
ストレス④「不規則勤務による生活の乱れ」
多くの看護師が夜勤による不規則勤務を経験します。不規則勤務による生活の乱れはストレスや疲労の原因です。人間は本来、昼間に行動し夜は寝るという生活リズムを持っており、生活リズムが乱れるとカラダが適応できなくなります。
職場によって2交代と3交代のどちらかの形態で不規則勤務のシフトが組まれます。2交代の夜勤では夕方~朝の約16時間続けて勤務します。3交代では準夜と深夜に分かれての夜勤です。どちらが良いかは人それぞれですが、カラダへのストレスは避けられません。
夜勤をしないためにクリニックなどの日勤のみの医療施設に転職したり、日勤専従・夜勤専従といった働き方をしたりする看護師もいます。多くの看護師にとって不規則勤務はストレスであり、年を重ねるごとに負担が増していくのではないでしょうか。
ストレス⑤「お給料が割に合わない」
①~④で多くのストレスを挙げました。これだけ多くのストレスに晒される看護師でありながら「お給料が割に合わない」と思う方も多いはずです。また、看護師は昇給の幅が小さいという特徴があるため、経験を重ねて仕事量や責任が増えてもお給料にはあまり反映されません。
働くうえで大切なのはお給料だけではありません。しかし、休日くらいしっかりと遊んでストレスを発散させたいものですよね。そう考えると、やっぱりお給料が仕事で受けるストレスに見合わないのは納得がいきません。
また、残業代がしっかり出ないことをストレスに感じる看護師も。働き方改革により不当な残業に対する風当たりが厳しくなったものの、情報収集などのための前残業は当たり前のようにあります。もちろん、前残業に対する残業代は支払われない場合がほとんどです。
ストレスへのセルフケアは定期的に行う
看護師の職場における様々なストレスを紹介しました。働くことが不安になってきた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ストレスはセルフケアを定期的に行えば上手く付き合っていくことができます。
また、ストレスそのものが悪いわけではありません。適度なストレスは自身の成長につながります。あくまで過度なストレスを避ければよいだけで、すべてのストレスを無くす必要はありません。
ストレスへの対処行動を「ストレスコーピング」といいます。他者へ相談する、健康的な生活習慣を身に着ける、業務改善を行うなどのストレスコーピングがあることを覚えておきましょう。普段からストレスをため込まないことを心がけて働くことがポイントですよ。
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