コロナの風評被害で、これから看護師になる人が減りそうで心配です。
23歳女性、2年目看護師、一般内科病棟勤務
まさかコロナ感染症が全世界でこんなに広がり、そして日本でも緊急事態宣言が出されるなんて夢にも思いませんでした。
看護師になるのが小さい頃からの夢で、人のために少しでも役に立てたら良いなと思い看護師を目指しました。仕事は大変ですが一人でできることも増えてきたので少しずつ仕事を楽しめるようになってきたところです。
ですが、コロナ感染症によって周囲の人から「看護師なら菌を持っているかもしれない」と言われることもあり、毎日病気や怪我の人のために看護をしているにも関わらず、このような批判をされるのでとてもつらいです。
プリセプターと風評被害について先日話をしていたのですが、プリセプターの子供を通わせている保育園では、医療従事者の子供の預かりを遠慮してほしいと言われたそうです。子供を預けている母として、このようなことを言われて非常にショックだったと思います。
風評被害が続くのであれば、看護師になることを諦める人も増えるのではないか?と心配です。
コロナ感染症によって医療従事者に対し、ここまで風評被害が出るとは思ってもみなかったですよね。仕事とはいえ、人のために寄り添い看護をする私達の業務は病気や怪我の人にとってなくてはならない存在です。
看護師を含めた医療従事者に対して心無い言葉を浴びせる人がいるため、言葉や態度の攻撃に耐えられず離職してしまう看護師もいます。また、看護師になる事を諦めてしまう人もいるでしょう。
風評被害による看護師の離職や看護師の夢を断つ人をこれ以上増やさない方法を考えていかなければいけません。あなたのようにコロナの風評被害によって、看護師になる人が減ってしまうのではないか?と不安に思う人も多いでしょう。
看護師になりたいと思う人が減ってしまうことも大変なことですが、現在勤務している看護師の離職が増えることも本当に大変なことです。そうならないようにするためには、医療従事者同士が支え合って踏ん張らなければいけません。
看護師だけではなく、家族に対しても誹謗中傷される
「あなたの勤めている病院でコロナ感染症患者がでたらしいね。」
「看護師ならもしかしてコロナウィルスを持っているかもしれないから近寄らないで。」
このような言葉を浴びせられている看護師もいます。病院でコロナ感染症患者が出たからと言って、看護師みんながコロナの罹患者ではないにも関わらず、色んな言葉を投げかけてくる人は少なくありません。
ネット社会が普及した現代の社会的問題とも言えますが、顔が見えないことをいいことに、SNSで医療機関名や名前などを載せられ誹謗中傷されている人もいます。ほかにも、保育園への出禁を含め家族への嫌がらせやタクシー乗車拒否や入店拒否など、嫌がらせをされるケースもあります。
感染症対策をしていることをアピールしよう
病院でコロナ感染症が発生すると、病院内すべてが汚染されていると思う方がいます。
たとえば、「〇〇病院の外来予約をしていたけど、コロナ感染症が出たなんて看護師さん誰も教えてくれなかった。教えてくれたら行かなかったのに、あやうく私もコロナに感染するところだった」とおっしゃった患者さんがいました。
コロナ感染症が1人出たからといって、病院全体が汚染されているわけではありません。
大きな病院であれば感染管理認定看護師もいますので、感染症対策をきちんと行われているはずです。
周囲の人からバイ菌扱いされそうになったら、病院で行っている感染症対策を教えてあげてみるのも良いかもしれません。
ナイチンゲール誓詞をいま読み返してみよう
看護学生時代、ほとんどの看護師の方が「ナイチンゲール誓詞」を覚えたのではないでしょうか。「ナイチンゲール誓詞」に書かれている内容は、看護のこころとも言えます。
現在、周囲の人からさまざまな風評被害を受けているかもしれません。ですが、看護のこころを考え直し、気持ちを入れ替えて仕事に取り組んでみてはいかがでしょう。
そして、これから看護師を目指そうと思っていた人は、「ナイチンゲール誓詞」を読み、看護のこころについて学んでみるのもよいかもしれません。
引用:やさしく読み解く「看護者の倫理網項」第1~6条(日本看護協会)
嫌がらせやいたずらをされたらすぐに上司に報告しよう
コロナ感染症によって心なき差別を受けている看護師もいるでしょう。そして一人で悩み、抱え込んでいる人もいるかもしれません。
コロナ感染症は誰かが悪いわけではないので、周囲の人に何か言われたとしても決して自分を責めないでください。
もし、周囲の人に何か言われたり嫌がらせをされたりした場合にはすぐに上司に報告し、相談してください。病院側が何らかの解決策を考えてくれると思います。もし、上司に直接話をしにくい場合にはプリセプターに相談してみてもよいでしょう。
風評被害に流されない看護論を持とう
病院によっては、コロナ感染症による風評被害を受けているところもあると思います。そのため、受診する患者数が減り経営状態が悪化している病院も少なくありません。コロナ感染症患者を含めさまざまな感染症患者に対して看護をしているわけですが、常にリスクを抱えながら仕事をしています。
危険をともないながらも業務をこなしているにも関わらず、給料やボーナスが減った看護師の方も中にはいらっしゃいます。普通から考えると仕事が嫌になるかもしれません。ですが、こんな時だからこそ自分自身の看護論を見つめなおし、人のために役立てる看護について考えてみてはいかがでしょうか。
いま自分ができることを、できる範囲で取り組んでみてください。
まとめ
看護師を含め医療従事者に対する風評被害は少なくありません。心無い言葉での誹謗中傷や嫌がらせ、そしていたずらを看護師だけではなくその家族に対してされている人も中にはいます。
これだけ一生懸命人のために看護をしているにも関わらず、このような事をされると悲しい気持ちになります。医療者の中にはコロナ感染症流行後、うつ病などの精神疾患を発症している人もいます。このような人たちを増やさないようにするためには、医療者同士支えそして励ましあいながら踏ん張っていかなければいけません。
今の職場で働き続けることが辛いと感じたときは、転職エージェントに相談してみるのもおすすめです。看護師として働ける職場は病院以外にもたくさんありますので、あなたの希望する働き方ができる職場を複数紹介してもらえますよ。ぜひ、お気軽に相談してみてください。