コロナにかからないという前提で生活するのはいけないことですか?|看護師の転職お悩み相談【看護師ドットワークス】

コロナにかからないという前提で生活するのはいけないことですか?

20代男性、精神科勤務

新型コロナウイルスへの感染予防に疑問を抱いています。調べてみると、仮に20代の私が罹患したとして発症することすら珍しいようです。正直、自粛生活を継続する意味がわかりません。感染予防行動も大変です。コロナにかからないという前提で生活してはいけないのでしょうか。

また、精神科で勤務している関係上、常にマスクを装着しているとコミュニケーションに支障が出ます。患者さんも不安そうです。早く当たり前の日常や仕事に戻りたいのですが、可能でしょうか。

看護師の転職お悩み相談の質問

新型コロナウイルスの感染拡大が収束する気配が感じられず大変な思いをされていますね。おっしゃるとおり、自粛生活や感染予防行動は手間がかかりストレスです。多くの方が「できることなら止めたい」と考えているのではないでしょうか。

しかし、感染予防行動の徹底はしばらく継続しなければなりません。今回はその理由をご説明します。しっかり理解できると多少は不安やストレスも和らぐのではないでしょうか。

新型コロナウイルスが感染拡大しやすい2つの特徴

新型コロナウイルスには①多くの人が感染しても無症状かつ若い人ほどその傾向が強い②感染力が強く「飛沫感染」や「接触感染」で容易にクラスターを形成する、という感染拡大する2つの特徴を持ちます。

①多くの人が感染しても無症状かつ若い人ほどその傾向が強い

コロナに感染しても多くの場合症状がありません。若い人ほど症状は出にくく重症化のリスクも低いです。しかし、まれに重症化し肺炎に移行して死亡する場合もあります。とくに高齢者や免疫不全状態の人、基礎疾患持ちの人はハイリスクです。

自分自身が無症状で感染し、患者へ感染させてしまうことは避けなければなりません。また、精神疾患をもつ患者の中には感染予防行動が理解できずに活動してしまう方もいるのではないでしょうか。自分も患者も感染拡大させないように行動していかなければなりません。

②感染力が強く「飛沫感染」や「接触感染」で容易にクラスターを形成する

コロナは現在「飛沫感染」や「接触感染」で感染拡大すると考えられています。ウイルスの付着した手で口や鼻、目などの粘膜に触れてはいけません。見落とされがちですが喫煙もタバコに付着するウイルスを体内に取り込むので非常に危険です。

喫煙自体が感染を重症化させ肺炎につながるリスクなので避けたほうがいいです。もし喫煙する患者がいれば禁煙を促す、あるいは喫煙前後の手洗いを促す必要があります。

このようにコロナは感染拡大しやすく無症状の場合も多いため、感染しないという前提で生活するのは非常に危険です。

基本的な感染対策を徹底することが大切

だからと言って必要以上におびえて窮屈な思いをして過ごす必要はありません。なぜなら、コロナには基本的な感染対策が非常に効果的だからです。基本的な感染対策には3密を避ける、手洗い・うがい・マスクの装着などがあります。

マスクを装着している人は非常に多いですが、3密を避けて手洗い・うがいまで徹底できている人は少ないのではないでしょうか。マスクを装着しているか、していないかは一目でわかります。しかし、ウイルスは目に見えません。自分の手や周囲の環境に常にウイルスがいると想定して対策を徹底しましょう。

また、新型コロナウイルスには現時点では有効な治療方法やワクチンが見つかっていません。基本的な感染対策を徹底し、体調管理に努める必要があります。

コミュニケーションの工夫

精神科で勤務する上でコミュニケーションは非常に大切ですよね。とくに精神科は患者とスタッフや患者同士がコミュニケーションをとる機会が多いです。そのため、院内に感染症が持ち込まれると容易にクラスターを形成してしまいます。すでに国内の精神科病院でのクラスター発生も報告されています。

マスクの装着は必須なので表情がわかりにくくコミュニケーションが取りにくいかもしれません。そのため、コミュニケーションの工夫が必要です。

たとえば、口元が見えない分、身振り手振りや視線を大げさに使うといった方法が考えられます。コミュニケーションの方法は言葉だけではありません。また、個人差もありますので色々な方法を試して有効だと感じたものを使っていきましょう。

精神科病棟は3密を避けにくい

精神科病棟は窓が開きにくい、施錠されているなどの構造上、3密を避けにくいという特徴があります。興奮した患者がマスクを外して大声を出すなどの危険行動もあり得ることを考慮しなくてはなりません。また、精神科病棟にも高齢者が多数おり、重症化リスクが高いです。

スタッフ側の配慮として①PPEの装着②ベッドコントロール③ストレス管理が考えられます。それぞれ解説します。

①PPEの装着

通常、精神科ではコミュニケーションを重視するためPPEを装着する場面があまりないかもしれません。しかし、感染拡大の局面にある今は一般病棟同様にPPEを使用していく必要があります。そのためにもPPEの確保に努めましょう。

②ベッドコントロール

少しでも3密を避けるための手段の一つとして、ベッドコントロールで病棟の人口密度を下げる方法があります。退院・転院が可能な患者は検討していきます。また、レクリエーションなどで人が集まる際は複数回に分けるなどの工夫が必要です。

③ストレス管理

患者が興奮しマスクを外して叫ぶような場面は避けなければなりません。ストレスをアセスメントし、患者の精神状態が悪くならないように他職種連携して介入していきましょう。

看護師、患者ともにストレスな状況。無理せず働ける配慮を

自粛生活や感染予防行動により看護師、患者ともにストレスな状況が続いています。残念ながらコロナの終息の目処は立っておらず、長期戦も覚悟しなければなりません。大切なのは自粛生活や感染予防行動で無理をしないことです。

どれだけ気をつけていても感染は一定数発生します。コントロールできないレベルの感染拡大さえ防止できれば問題ありません。コロナにかからない前提というのはやはり無理があります。自分が感染しており無症状であるという前提が適切かもしれません。

まとめ

新型コロナウイルス感染拡大の収束の目途が立たず看護師・患者にとってつらい状況が続いていますね。適切な感染予防行動とストレス管理の両輪を考えながら日々の業務をこなすのは非常に大変です。一人で悩みすぎずに先輩や上司に相談してみましょう。

転職エージェントでは、看護師の悩みや不安を解決できるよう相談を受け付けています。守秘義務を徹底しているため、周囲の人に相談しづらい内容であっても問題ありません。職場の人間関係や仕事内容について、誰にも言えない悩みがあれば相談してみてはいかがでしょうか。

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